屋根裏のゴミ

おもにゲームとか映画とか旅行とか、超独断と偏見に基づいたことをおすすめするブログ。

暁月のフィナーレは旅好きに刺さりまくるストーリーだった

FF14暁月のフィナーレをクリアして約1か月。

ようやく物語全体を咀嚼して自分のものにできてきたかなと思えたところなのですが、リアルゼアで世界一周をするくらい旅好きな人間にとって、ヴェーネスの精神性だったり今回のテーマだったりに対してとてもとても共感することがあったので、そのあたりについて語らせてください。

 

が、まずはとにかく一言。

暁月、本当に最高だった!!!!!!!!!!!!!!!

 

 

 

 

以下、ヴェーネスとの邂逅~ラストまでの語りです。

(当然ですがネタバレしかありません)

 

 

エルピスに到着した段階ではまだ、多くのプレイヤーがハイデリンのことを疑っていたと思うのですが、かくいう私もその一人でした。それでも出会ってすぐに、元アゼムであること、未来からきたことを推察できる頭の回転の速さ、終末の話を真実という前提で考え、未来の自分がなぜそうしたのかに思考を巡らせられる柔軟さ。こういった部分からすぐに信用できたというか、不思議となにかとてつもない安心感を感じたのを覚えています。

 

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”私は、「不可能」を信じていない。”

普通こんな風に断言することできますか…?なんて芯が強くてしたたかな人なんだと。そしてこんなにも強い人が味方についてくれている、真実を解き明かさんと協力してくれている。その事をとても心強く感じましたし、このあたりからすっかりヴェーネスの精神性に惹かれていたように思います。

 

 

そしてヴェーネスと2人で旅について語らうシーン。暁月で1,2を争うくらい大好きだったんです…。
自分が旅好きだから余計にヴェーネスの言葉にすごく共感できたし、何より世界の成り立ちや謎を追い求め世界中を旅している姿が、どこまでも純粋で、どうしようもなく愛おしくて、なんて魅力的な人なんだろうと。

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”なんて不自由で厳しい世界……けれど、そこに生きる人々の、なんと愛しいことでしょう。”


私が旅を愛する理由ってまさにこれなんですよね。

どの国や地域も完璧なんてことはなくて、過酷な気候条件や自然災害など不自由さは数あれど、必ずその土地ならではの風土が形成され、それらに沿った文化や歴史が生まれる。どの世界のどの景色もみんな違って愛おしくて、私はその違いや不自由さから生まれるものを愛しているのだなと。

自分はなぜ旅が好きなのか、その根本的な部分に気付きはっとなった瞬間でした。

 

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”あなたの旅は、良いものでしたか?”

だからこそこの台詞はこみあげてくるものがあった…。

これは私が特別にリアルゼアで旅をしてきた時間が長かったからというのもあるため、FF14のこれまでの旅路だけでなく、自分自身の旅まで走馬灯のように駆け巡って。

こんなにもゲームや旅に費やした時間、体験に対して真正面から向き合って、その価値を問いかけてくれることがあるのかと。

ゲームなのにとてもゲームとは思えない不思議な瞬間で。この一瞬だけ、ヴェーネスの目がプレイヤー自身を見ているような感覚があって、直接「私自身」に問われたように感じたんですよね。だからこそ、FF14の体験と今までの自分の旅、その二つを振り返って、自分の生きる意味、そして生きる歓びを再確認した瞬間でもありました。

 

ここでは問いへの答えを示せないまま終わるわけですが、これまで紡いだ旅路を振り返ればこそ、その答えは明確なんですよね。ここで伝えられなかったが故に、私の心の中にはいずれ伝えなくちゃいけない確固たるものとして残り続けていました。そしてすべての真実を解き明かし、未来へと希望を繋げ、二人の時間が重なり再会を果たした時に、その答えを提示する。

 

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この物語の流れと構図があまりにも美しくて、それだけで泣いちゃった…。

 

ハイデリンに「人は生きるに足る理由がある」「生きる意味を自分たち自身で得た」ということを示す最後の試練なので、これまでの旅路がよかったと思えれば思えるほど、その気持ちは強くなるんですよ。

遥か彼方の遠い過去にかけられた問いに対する答え。それも決して一つではない、プレイヤー一人ひとりが抱いた答え、そしてここまで一緒に旅をしてきた暁のみんなそれぞれが見つけた答え。だからこそ、Answerではなく”Answers”。

 

それは同時にヘルメスが星の外に投げかけた問いへの返答でもあるわけです。

メーティオンの「幸せは、生きる歓びは最初からあったのね」という言葉に対して、「最初からあったわけじゃない」「世界は、みんなで作ってきたんだ」という返答をするのがとても良かった…!

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童話の青い鳥は「幸せははじめから近くにあった」という結論でしたが(所説あるかも?)、FF14はそうではなくて。広い世界を旅し、多くを喪い、傷つき、苦しみながらもその都度大切なものを得てきた。生きる意味と歓びを自分たち自身で見出してきた。そうやって今までの旅路を紡いできたからこその答えでありメッセージなのかなと。

これは私たち冒険者が歩んできたすべての足跡、道のりであって。この長い歴史を経たMMOが描くストーリーのひとつの終着点として、これ以上ないくらいにふさわしく、美しいものでした。

 

自分はゲームも旅も両方愛しているので、今回暁月のフィナーレはそのどちらをも肯定してくれたような気がしていて、個人的にそれがとても響いたし嬉しかった…!今までゲームをプレイしていてこんな気持ちを抱くことも、こんな風に肯定されることはなかったですよ。

ゲームとリアル世界での旅、その二つの旅路を持つ者として、より一層思い入れのある、自分にとって深い意味のある作品になったと感じています。こんなにも美しいフィナーレを体験として提供してもらえたこと、プレイヤーとしてこれ以上ないくらい幸せでした。


コロナ禍で生き甲斐でもある旅行に行けず、陰鬱とした日々を過ごしていた中この作品と出会い、数多くの胸躍る冒険と心動かされる物語を味わう旅ができて本当に幸せでした。開発のみなさま、本当にありがとうございました!これからもまだ見ぬ世界の冒険を心から楽しみにしております!

 

 

 

映画「パラサイト 半地下の家族」感想と考察|”半”地下と水石の意味

先日金曜ロードショーの2021年一発目、かつ35周年記念作品として地上波初放送された映画「パラサイト」。上映されている頃からすごく気になってはいたのですが、映画館へ足を運ぶタイミングを失い、何故か金ローの前日にようやくNetflixで観ました。(ちなみに、前情報や予告編など一切の情報なし)
結論から言うと、めちゃくちゃ最高でした。好きな映画BEST5に入るレベルでドハマりしてしまったので、今回は個人的に気になったところの考察を書いていければと思います。
※もちろんネタバレありなので、まだ観ていないよという方はブラウザバックで今すぐ観てきてください!
 
 
 

 

 

パラサイト』Amazon先行配信&リリース決定!ソン・ガンホ「演技対決を堪能して」 | cinemacafe.net
 
 

”半”地下の意味

映画の副題をみてから、「半」地下であることに純粋な疑問がありました。なぜ地下ではなく”半”地下なのか。韓国では北朝鮮からの攻撃に備えて防空壕シェルターをつくる必要があると法律で定められてから、多くの家には半地下が備わっており、人口過多であるソウルでは半地下のスペースが一つの居住スペースとして使用されている、という背景から、韓国の日常の中にある貧困として題材にされたというのは劇中でも説明があったし、その通りなのです。ですが、その歴史的背景の他にももう一つの意味を持たせているのではないかと個人的に思いました。
 
半地下に住むキム一家は、自分たちよりもはるか丘の上に住むパク一家に近づく機会を得るわけですが、緻密とは言い切れない計画で、あれよあれよと驚くほど簡単に一家まとめてパク家に就職します。テンポが良すぎる展開にドキドキハラハラしながらも、この金持ち家族はなぜこんなにも雑なフェイクに気付かないんだ?と観客の誰しもが思ったはずですが、その答えは後々残酷な形で知らされることになるわけです。キム一家もパク一家と同様で、自分たちよりも下に人がいることに気が付いていなかったんですよね。
 
ここでわかるのは、人は上をみて羨望や嫉妬といった感情を抱きもがくわけですが、下には目を向けることがない、関心がないということです。だからこそ「”半”地下」という中間のポジションにいる一家を主人公として話を進めていき、上だけみていたら実は下もありました、という展開にしているわけですが、ここまでまた更に驚きなのが、自分たちよりもさらに下に人がいることに気が付く(=地下室の存在に気が付く)シーンが映画のちょうど半分であるということです。
こんな綿密なトリックありますか?ここまで細かく細部にまで計算し尽くした作りこみに、ポン=ジュノ監督の異様なまでの映画への執着や求めるレベルの高さ、芸術作品としての完成度を感じました。完璧すぎる構成で、映画作品というか一流の美術・芸術に感じました。映画として制作した美術品というかなんというか。とにかくこの前半と後半の分岐点によって、「半地下」であることの意味を最も残酷な形で示され、思い知らされたように感じました。
 
そしてこの「地下」の存在が明らかになったところで更に残酷だと感じたのが、半地下のキム一家が貧困を極めた”底辺”であるかのように前半描写しつつ「あとは上るのみ」と見せかけて、更に下ることもあると現実で頭を殴ってくるところです。
 
行き過ぎた資本主義の末路とか、格差社会の正体とか、そういうものを「地上」「地下」という実際に目に見える高低差に喩えて表現しているのが唸るほど上手いのですが、それ故に格差社会の恐ろしさと目に見える「地下」にひきずりこまれる恐怖がおぞましい形で合致して、更なる心理的恐怖を煽っていると感じました。
 
 
 

山水景石(水石)とは何だったのか

ギウの先輩であるミニョクから譲り受ける石ですが、これにまつわる考察はなかなかに悩ましいものでした。鑑賞後も様々な考察記事などを読んで考えを巡らせていたのですが、個人的には下記の解釈です。
 
そもそも水石とは鑑賞用の石であり、高尚な芸術趣味として楽しむための”象徴”的なものなわけですが、ギウはこれをもらい受けた時にいわば魅了されます。水石を富・豊かさの象徴として捉え、身分を偽り上流階級に"pretend"し、ゆくゆくはそのまま成り上がるためのお守りのように持ち歩いていたのだと思います。しかしながら、地下の住人によってその計画が狂い始め元の半地下へと戻された時、汚水の中から不自然に水石が浮かび上がり、それを手に取るのです。
ここの解釈が非常に難しいところですが、大きくわけて2つに分かれると思いました。
 
①水石が水に浮いた=本物ではなかった
 (後々、軽い石だったからこそ、殴られても死ななかった)
②水の中で浮かび上がる=貧者は下に沈むが富者は上に上がる
 
どちらの解釈もあり得ると思うんです。個人的に①の解釈も好きなんですが、あの水に浮くシーンがあまりにも不自然というか、あそこだけ自然の摂理・重力といったものに反した映し方をしているような気がしてしまいまして、現実の描写というよりはギウの頭の中というか、比喩的な表現として映しているのかなと思ったんです。また、そこで石が本物ではないと気付いたとしたら、そのあともずっとあの石を抱えているのがおかしいんですよね。上にいくことを諦めたならまだわかるのですが、パーティの日ダヘに「僕はここに馴染んでいる?」と尋ねているし、金持ちに対しての羨望の眼差しは消えていなかったので、だとすると①の解釈をするとそこの辻褄が合わないなと思ってしまったわけです。
 
そのため、個人的には②の解釈としてとらえました。アクシデントによって丘の家から下へ下へと元の場所へ戻され、更には大規模な水害によって家は汚水まみれ。”pretend”はできても本質は変わらない半地下の住人であることを思い知らされるわけですが、同時にそんな環境でも富や豊かさの象徴である水石は沈まず、浮かんでいた。この現象をギウは「この石は僕にへばりついてくる」と表現して、この石はまだ自分を上に押し上げてくれるのではないか、そんな一縷の希望を感じて再度計画を練り直そうというきっかけになったのかなと。
だからこそ、地下室に男を殺しに行くシーンでその石を落としてしまった時、富の象徴が落下=ギウが上の人間になる可能性が潰えた、というわけです。
どうでしょう、最高に残酷で最高な暗喩じゃないですか?個人的にはこの後味悪い表現が非常に好みなのでとてもよかったです。
 
 
 
以上特に気になった2点をピックアップして個人的な解釈・考察を書いてみました。
上記だけでなく他にも考察しがいのある点がありすぎるくらい詰め込まれていて本当に密度の濃い作品でした。一つ一つ語りたいところなのですが、今回のエントリーではひとまずここまで。ぜひみなさんもぜひ自分なりの考察を立ててみてください。
それではー。
 

「キム秘書はいったい、なぜ?」を観てパク・ソジュン沼に落ちた人の感想

去年の9月頃、梨泰院クラスを一気見してはや3ヶ月、、、友人からおすすめされた『キム秘書はいったい、なぜ?』がアマプラに追加されたのでこれまた一気見してきました。
はい、ええと、これまた見事にパク・ソジュン沼に沈みました!ありがとうございます!!
 
ソジュンはもちろんのことドラマ全体を通してものすごく楽しめたので、全体の感想を書いていきますよー。※ネタバレ全開なので未視聴の方は回れ右でお願いします。
 
キム秘書はいったい、なぜ? | BS11(イレブン)|全番組が無料放送
 
 
 
 
 
ドラマを大きく分けると、
①キム秘書が辞めることを全力で阻止するヨンジュン
②2人が付き合い、少しずつ過去と向き合う
③ひたすらラブラブイチャイチャ
 
という3段構成なわけですが、なかなか日本のドラマで③を何話にもわたって繰り返す構成ってみたことないんですよね。だからこそ新鮮かつ眼福で幸せな時間でした……。山なし落ちなしみたいな話が数話続くので、後半がだれたという意見もありましたが、個人的にはああいう二次創作のようなラブラブ日常編が大好物なので、むしろありがとうございます!!!!!という圧倒的感謝。推しカプのイチャイチャは永遠に観ていられる……推しカプこそ正義。
 
 
ヨンジュンとミソ

キム秘書がなぜそうかの新着記事|アメーバブログ(アメブロ)

完璧オブ完璧。顔面国宝。キングオブラブコメとにかくこの世のものとは思えない圧倒的な美しさで本当に意味がわからなかった……。
はじめはミソが会社を辞めるのを阻止するところからはじまるのですが、だんだんとお互いに好意を寄せていき、互いの過去を知ってもっと好きになって、最終的に最高に幸せな形で結ばれるというこれ以上ないくらいのハッピーエンドで幸せな気持ちになりました…。お互い完璧な顔面とスタイルを持ち合わせているのに、恋愛初心者という漫画あるあるな設定なわけですが、そんな漫画設定であることを忘れてしまうくらい、2人のやりとりがとにもかくにも可愛すぎて!!!!!終始悶絶でこざいました。
ハートつくって投げ合うとことかさ、なに……尊い…………(死)
 
ただ末恐ろしいことに恋愛初心者でも演者はパクソジュンなので、キスシーンがとにかくエロいんですね……。あの人キス上手すぎじゃない???手の回し方とか角度とかあらゆる仕草がとにかくえろくて、下手なAVを観るよりも濡れ(
 
とまあ終始ニヤニヤがとまらない可愛すぎる2人のやりとりが続いていくわけなんですが、それでもそのやりとりがただのイチャつきではなく、深い絆で結ばれた2人だからこそ許される、なんというか本当に神聖なものに仕上がっていたんですよね。過去のエピソードと今現在の2人の人柄、そして精神性がそれらを作り出しているのだなあと感動しました。
 
ミソがウェディングドレスを着て「こうして嫉妬に燃える姿もかわいく思えるほど、あなたを愛している。」と、自分が相手を想う愛情の形の変化、そしてそれに気が付けるようになったことにものすごく感激しちゃいました。泣ける……。
 
ヨンジュンもはじめは超絶ナルシストで人への配慮や愛情がこれっぽっちもないキャラクターとして描かれていましたが、回を追う毎に、どんどん本来の優しさや人のことを想う気持ちが出てくるようになって、ものすごく魅力的な人へと印象が変わっていきました。それはミソと正面から向き合い、少しずつ対話を重ね、互いを理解しようと努力をした結果でもありますが、本当ははじめからものすごく優しい人だったということでもわかったので、ミソが本来のヨンジュンを取り戻させた、ということにもなるのかなと思いました。
 
お互い本当に”良い人”で、それでも恋愛初心者だから不器用で。少しずつ歩み寄って、互いを理解して、寄り添っていく二人の姿がこれ以上ないくらい理想な形というか、一切嫌味がない美しい仕上がりになっていて、こんなにもラブコメで感動する?というくらい最終話を見終わったところで圧倒的多幸感と満足感がありました。特にソジュンの表情が回を追う毎にどんどん柔らかく、愛情あふれる笑みを浮かべる人になっていくのがもう……あの優しい笑みをみる度に沼に沈んでいく様子を身をもって体験しましたね…。それくらい演技がよかった…びっくりするくらい引き込まれました。だからこそ恋愛を主としたドラマで、流れは王道であるにも関わらず、こんなにも心を掴まれるのか…と。ミソ役のパク・ミニョンも美しいだけじゃなくて、視聴者全員を魅了するピュアさが上手に出ていて本当に素敵でした。完璧な二人の組み合わせすぎてリアルに結婚してほしい。全人類が応援するカップルだと思います。
 
 
コメディ×ロマンスがいい塩梅
ただひたすらラブラブの甘い話というわけでもなく、一定のサスペンスがスパイスとして入ってたり、爆笑できるコメディシーンもあったりで、そのバランス感がめちゃくちゃいい塩梅なドラマだったなーと思いました。誘拐事件の真相もありきたりなものではなく、自分に自信がなく心の弱い兄がショッキングな事件で記憶違いをし、その様子をみた弟がその超越した賢さから、記憶違いをした兄に合わせて自分が加害者側になるという設定でした。だから9年前からミソが誰であるのかわかっていたけど、自分に枷をしていたからこそ、大事に想う気持ちを自然と押し殺していた。でもかつてのトラウマを克服しあとは、その大切に想う気持ちの正体に気づき、心の底から愛せるようになったわけですよねー。この過去の自分と向き合ったことによって、過去現在未来へのミソへ無意識に抑えていた気持ちが、だんだんと溶かされて純粋な愛情になるというか、そんな過程が綺麗で好きでした。
 
 
登場人物がみんないい人すぎる
梨泰院クラスと違って精神を削りながら観る必要がなくてMPをむしろ回復してくれる作品だったので、非常に見やすかったです。まじでびっくりするくらい悪いヤツでてこないよね。そして周りの人達もほんっとにいいキャラなんですよねー。社長のユシクは、完璧なヨンジュンと正反対な性格でありながら親友という漫画あるあるな設定なんですけど、めっっっちゃよかった……。正反対なコンビはどの時代も間違いないです。2人の下らないやりとりに毎回笑ってました。パク軽率のくだりめちゃくちゃすき。
 
個人的に一番ツボだったのはヤン秘書。あの人だけ何故か毎回テーマ曲があるのが最高でした。特に胸パッドのくだりは大爆笑。紳士でとってもいい人ですね。ポン課長も、はじめは新入社員をいじめる系のお姉様かと思いきや、コメディ担当のすっごく良い人で作品を盛り上げてくれていました。特にミソの悪口を言う社員に対して、真っ直ぐに立ち向かってミソを守るシーンは泣けた…。それだけミソが愛されているということだし、こんな素敵な同僚と一緒に働きたいなあなんて思った瞬間です。コ代理とジアちゃんはまさかの最終話でくっついたわけですが、もっとラブラブを観たかったので残念!
 
周囲の人たちにも恋愛模様があって、少しずつ関係が発展していく様子はみていて飽きず常時わくわくさせてもらいました。こういうサブストーリーが充実してるのもドラマの見どころで非常によかったと思います。
 
ヨンジュンとミソだけじゃなくて周囲の人の恋愛模様になぜこんなにも応援したくなるのかと考えた時に、全員相手の人柄に惚れているからなんですよね。はじめから外見がかっこいい!すき!とかじゃなくて、相手の心の内を少しずつ知っていって、次第に好きになっていくその過程が丁寧に描かれているのがよかったです。(ヤン秘書はちょっと違うけど笑)みんないい人で、みんなそれぞれ幸せになって、ここまで幸せな気持ちになれるドラマも逆に珍しいような気がしちゃいました。ほっこりした……。
 
 
韓国ドラマはまだまだ初心者で、梨泰院とキム秘書しかみていないのでアレですが、日本と同じ東アジア文化圏の中という感情移入がしやすい物語の中で、日本ではあまりやらない演出や展開をしていくのがスパイスになって、日本で爆発的な人気になっているのかなと思ったりしました。日本だと放送の尺だったりクールが決まってたり制限も多いですからね。とにもかくにも韓国エンタメがここまで面白いのかと気付いてしまったので、今後も少しずつ見ていきたいなと思っております。
次は梨泰院の2周目を見る予定なので、見終わったらまた感想がかければと思います。
 
有難いことにキム秘書はAmazon Primeで見放題になっているので、まだ見てない方はこの機会にぜひ!!!!
絶対後悔はさせません。そして一緒にパクソジュン教の仲間入りをしましょう。
 
↓30日間は無料なので、その間に一気見するのもおすすめです!↓

 
 
2021年はまさかの韓国ドラマの感想でのスタートとなりました笑。
今年も一年、どうぞよろしくお願いします!

【FF14】漆黒のヴィランズパッチ5.3をクリアしたら大号泣しました【ネタバレ感想】

3か月以上遅れて漆黒のヴィランズパッチ5.3をクリアしました。

なんなんですかあの最高のストーリーは…。

もうびっっっくりしました。あそこまで情緒がぐっちゃぐちゃになって、泣き疲れてしばらく何もできなくなるゲーム体験は生まれて初めてですよ…。良質な映画を1本観たかのような圧倒的満足感で、クリア後の余韻が非常に長かったです。

ぐちゃぐちゃになった情緒をなんとかして持ち直したので、この感動をどうにかして言語化しよう…!ということで感想を書いていこうと思います。ちょっとまとめきれないので、個人的に気になったポイントや泣いたポイントをピックアップして書きます。

※注意:いつものことですが地味に長いです

 

 

 

 

 

水晶公の願い

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ここの演出めっっっっっっちゃくちゃよかった……。

この人はどこまでも純粋で、英雄とその冒険への憧憬がダイレクトに感じられたシーンでした。グルグ火山に乗り込む前とかにも公と二人で話す機会はありましたが、正直その時はまだ公の原動力と本当の目的がよくわかっていなかったのでピンときていなかったのですが、5.0を終えて、彼が誰であるのか、そしてこれまでの長い道のりを理解した今だからこそ、このダイレクトな告白はグっとくるものがありました。

この願いがささやかであるからこそ余計に、彼のピュアで真っすぐで努力家な人格に触れた気がして、感謝と同時にまた別の感動がありました。

そしてここの演出がずるいんですよまた…。悠久の風がBGMで流れているんですが、キャプチャの台詞がくるところで、今までpianoくらいだった音の強さがクレッシェンドしてきてサビにあたるんですよ……演出考えた人天才です。もう泣くしかないじゃんこんなの…。

しかも「水晶公」じゃなくて「グ・ラハ・ティア」になってるのもまたミソですよね。この瞬間、グラハは絶対に守ってやるという謎の使命感に燃えました。

 

 

ウォーリア・オブ・ライト戦

もう各所で散々語られていることですので、今更私が述べることはもはやないのですが、討滅戦の中で演出的な意味であそこまでの仕掛けがあるのは初めてでしたね。連打の長さにもまず驚きましたが、古代人としての姿のエメトセルクが出てきて、最後にいつもの手ヒラヒラで去っていくシーン…最高でした。キャラクターに語らせずに「誰であるか」を表現する感じ、大好きです。

エリディブスが使命感に必死で本来の目的を忘れかけていることを、エメトセルクは危惧していたからこその仕掛けだったのでしょうか。オリジナルの中でもやはり一番優しさと責任感を持った人だったのだなあと改めて彼の人柄に触れられました。

 

第一世界のみんなとの別れ

それぞれのみんなが活躍していた場所、そして深く関わりがあった人々との別れのシーンがもうね…辛さと同時に暁のみんなもここまで頑張ってきたんだなあという深い感動があって、台詞ひとつひとつをおくっていくのに非常に重みがありました。

 

チャイ夫人

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チャイ夫人の愛情深い姿が全面に出ていてすっごくよかった……。ふくよかな体型、優しい表情と声が相まってあたたかな愛に包まれてるなあと感じる5.3の中でもかなり好きなシーンでした。

「愛しているわ、私たちの、勇敢で優しい画家さん。」

チャイ夫人だから言える「愛しているわ」という台詞、良いですね…。たくさんの感謝と別れの挨拶の二つの意味がこめられていて、直接的だからこそなかなか言えない台詞なのでとても心に刺さりました。

漆黒のストーリーの中でも何度かアルフィノの口から、クリスタルブレイブ事件の反省がありましたが、彼がそうやって過去の失敗から決して目を逸らさず、失敗から学んだことを未来へ活かそうと積極的に行動をおこしているからこそ、こういった優しい人々からの深い愛情をもらえる人格者に至ったのかなあなんて思ってしまうくらい目覚ましい成長を感じました。こんな風に自分のことを想ってくれる人がいるって本当に素敵ですよね。アルフィノには是非エオルゼアの景色をスケッチしてチャイ夫人に贈っていただきたい。

 

ルナル

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ヤ・シュトラ大好きっ子ルナル。

以前ヤ・シュトラが大穴に落ちて死んだかと思われた時に、ほのかなヤンデレ要素を垣間見せ、闇落ちするのではと一瞬ハラハラさせられた彼ですが、これは一種のプロポーズだったのでしょうか。彼もまた純粋な心の持ち主なので、かなり辛い別れだったのではないかと思います。

それにしてもヤ・シュトラをお姫様抱っこするルナルもすごいけど、そのアクションを「子供」扱いするヤ・シュトラもすごいよね。ヤ・シュトラにとって「恋愛対象の異性」と感じる人は一体どんな人なんだろうか……。

 

 ライナ

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ライナもとっても良いキャラでしたね。物語の合間に出てくる、ライナと水晶公のやりとり…というか、ライナが語る水晶公とのお話が本当に好きでした。

公は見た目は若いけども、ライナたちからみたらそれこそ”おじいちゃん”なわけで、ずっと側で 見守ってきてくれた家族なんですよね。クリスタリウムの人々の前では、「水晶公」として堂々と威厳ある立ち振る舞いをしているわけですが、ヒカセンが第一世界に召喚された時なんて、みんなが驚くくらいうれしそうに走っていたり、時折見せる子供のような無邪気さにどこか嬉しい気持ちを感じながらも、本当の正体を知ったらそれこそ遠い世界の人になってしまいそうな怖さもあり…。ライナの心境は非常に複雑だったのだと思います。だからこそ、ここで公が「クリスタリウムで過ごした時間はまぎれもない本物」だと語ってくれた時は心の底から嬉しかったんだと思います。公たちが去ったあとに肩を揺らして涙を流すライナに、涙腺が崩壊しました。なんて純粋で素敵な女性なんだ……。

 

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 そしてライナといえば忘れちゃいけないのが、最後のお見送りのシーン。もうここは声優さんの演技に感服いたしました。途中涙を必死に堪えながら震えて話す演技が良すぎて…公のことが本当に大好きだという真っすぐな気持ちと、公のいないクリスタリウムをみんなでしっかりと守っていこうという意思の強さと、公とヒカセン達のことを思いやる優しい気持ちとが混ざり合って、あらゆる感情が混ざってうわああああああああ(大号泣)。もしかしたら一番泣いたのここかもしれない。

水晶公の優しさと強さに包まれた街、クリスタリウム。街もそこに住む人々もみんないつまでもいつまでも大好きです。きっとあの人たちなら大丈夫だって思えるお別れでした。

 

第一世界

正直なところ、第一世界に初めて降り立った時は、どこか不気味で、街も人も知らない人ばかりで、ほとんど0からのスタートのようなものだったわけですが、それでも水晶公と暁たちのおかげで、ある程度はどこへいっても”闇の戦士”として歓迎される非常に心地よい場所になっていたわけですよね。彼らが事前に信用と信頼を得てくれていることはもちろんのこと、ゲームプレイとしてもあまりストレスを感じさせないつくりになっていたのかなと思います。

だからこそ第一世界の人々はみんな本当に親切で、この人たちがいる世界を守りたいって思えたし、はじめての土地でもなお強く感情移入ができたのではないかなと思いました。それくらいこのみんなとのお別れシーンが辛くて、ボロボロと涙を流しながら、いつの間にかこの第一世界のことを心から大好きになっていたんだなあ…と改めて気が付きました。

 

 

水晶公のナレーション

長く長く続く道 あなたはそこを旅し続けている

ひとつひとつの冒険は 歩みを進めるほどに 過去になっていくだろう

そこで出会った人々の 声を 顔を 思い出せなくなる日がきたとして

そんなときには これだけ 思い出してほしい

『どんなに遠くなろうとも すべての冒険は 今日のあなたに続いている』

どれほどの苦難と 耐えがたい苦しみが襲ってこようとも

いつか覚えた喜びが 流した涙が 受けた祈りが

決してあなたを 独りにはしないだろう

――この記憶の最後に、私はそう願っている

 

この台詞は最後クリスタルタワーにグラハを迎えにいく主人公のシーンの部分で流れている、水晶公によるナレーションなのですが、ここにはいろんなメッセージが込められていてものすごく素敵だなと感じたので抜粋しました。

もちろん主人公に向けて伝えている言葉なのだと思うのですが、それと同時に私たちプレイヤーにも向けられているわけですよね。新生から漆黒まで本当に長い道のりをプレイしているわけですが、それまでの時間は決して無駄じゃないし、すべて今日の自分に続いているんだよ。という開発側からの感謝と漆黒のストーリーに込めた思いの丈のメタメッセージな気がしてすごく好きでした。主人公とプレイヤーを重ねた表現があるとなんというか、うれしくなっちゃいますね。

私なんてFF14自体を3月頃から始めたのでまだまだ新米ヒカセンなのでアレですが、発売当初からプレイされている方なんて、この台詞めちゃくちゃ心に沁みますよね…。今までかけてきた長い時間とFF14への想いがすべて肯定されたようでなかなか粋な演出だなと思いました。

 

グ・ラハ・ティア

水晶公の時はあんなに堂々と振舞っているのに、どうしてグラハになった瞬間、ちょっとシャイな青年になってしまうんでしょうね…可愛すぎませんか……。5.0のハーデス戦後もそうですが、ちょっともじもじしたモーションが入るの水晶公とのギャップがありすぎて本当にかわいい…。手の動きだけでなく、耳としっぽが細かい動きにも、モーション班の並々ならぬ気合を感じられて、二重の意味で嬉しくなりました。

原初世界への帰還後、ようやく元のグ・ラハ・ティアに戻れたわけですが、恰好が水晶公の要素も残しつつも冒険者風のアクティブなテイストにして、しまいには前髪をヘアピンで留めるというオタクを確実に狙いにきているあざとさも増えつつ、なにはともあれ、本当に無事で良かったです。彼ももう一人の偉大な英雄ですからね、誰しもが望む最高の結末で、ひとつの物語として素晴らしい結末だったと思います。

 

 

俺の、一番の英雄!

正直5.0をクリアした時には、なぜグラハがここまで主人公に思い入れがあって、気が遠くなるような苦労をしてもなお助けようとしてくれるのか、動機付け部分があまり腑に落ちていなかったのですが、なんというか、知れば知るほど少年の憧れのようなどこまでも真っすぐで曇りのない純粋な気持ちで、その一途さに心打たれてしまった…という感じでした。もはや理屈じゃないというか、これもアシエンたちの使命感と似て非なるものというか……ともかく5.0クリア時に少し心の片隅にあった納得できていない感はなくなりました。

エリディブスとの決着、第一世界の救済(=原初世界の救済)、第一世界との別れ、原初世界への帰還…と大きすぎる目的をいくつも達成したパッチだったので、この5.3だけで一つの作品だったのでは…?と思ってしまうくらいにはものすごい量のボリュームで、クリアした後の達成感が尋常ではなかったです。

これでFF14が完結なんじゃないかと思ってしまうくらいには、あまりに美しく、プレイヤーと主人公をうまく同期させた素晴らしい物語の帰結でした。もうこればっかりは、シナリオ班に感服せざるを得ません。マジで個別に銭投げさせてくれ…頼む……。

 

でもFF14のすごいところは、こんな素晴らしい物語を見せられた後も、まだまだ冒険は続いていくということです。第一世界で得た素晴らしい経験と思い出を 、素晴らしい仲間たちとともにまた未来へつないでいくことができる……こんな素敵なゲーム体験ありますか…?今から次のパッチや6.0の物語が楽しみでなりません。

 

とにもかくにも、今までの人生のゲーム体験の中でも3本の指に入るくらいには素晴らしいものになりました。これほどの感動と素晴らしいシナリオをゲームプレイという形で体験することができて本当に幸せでございます。

改めてFF14という作品をつくってくださったスクエニさん、吉Pに感謝です。

漆黒のヴィランズ、最高だったー!!開発のみなさまに届け、この想い!

 

漆黒全体の感想やらなにやらは、また改めて書けたら書こうと思います。

それでは。

【ネタバレ有】ライフイズストレンジ2クリア後感想・考察 | 長く辛い兄弟の旅路を振り返る

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この4連休でLIFE IS STRANGE2がセールになっていたため、衝動買いし一気にプレイ。前作もBTSもプレイ済みなのでかなりの期待をしていたが、結果的にとても満足のいく素晴らしい作品だった。この感動が消えないうちに感想という名の駄文をエピソード毎にしたためておこうと思う。

※もちろんネタバレ全開なので、クリア後の閲覧をおすすめします※

 

 

 

 

 

エピソード1 旅立ち

物語の導入~二人の旅立ち~モーテル

 

メキシコ人移民である父がちょっとした勘違いから銃で撃たれ殺されるという悲劇は、例の黒人事件を彷彿とさせた。このあたりの事件や歴史的背景をきちんと理解していないと、なぜ殺されたのかよくわからないという新しい導入の仕方だったのでなかなか新鮮に感じる悲劇だったと思う。

 

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ガソリンスタンドにいた白人家族や、ショーンを捕まえた爺さん等々…こんなひどい人間しかいないの?ってくらいはじめからひどい仕打ちで泣きたくなる序盤の展開。だからこそブロディが助けてくれた時は心の底からほっとできたし、優しい人がいてくれること、そして出会えたことへの感謝で胸がいっぱいになった。

後で知ったけど、店でキャンプ道具を盗む選択をすると、ダニエルがブロディの車からも盗みをすると聞いて驚愕。兄の背を見て育つのはわかるけど、それは絶対にやったらあかんよ…。ちなみに私は一度も「盗む」選択をせずにクリアまでこぎつけた…よ!(と思ったら家の金を盗んでた)

 

 

モーテルにてスマホを捨てる前に家族3人のクリスマスでの思い出ムービーを見ながら涙を流しているシーン、本当に辛かった…。スマホを捨てるということは、父と3人の思い出を捨てるということも意味しているので、覚悟を決めるのに時間がかかったのだと思う。画面は映さずに動画の声と、動画をみているショーンの姿だけが描かれているわけだけど、ショーンの細かい表情や動き、そして涙する様子などが見事なまでにリアルに描かれており思わずもらい泣き。人物のモデリングが背景と違ってデフォルメ化されているにも拘わらず、あそこまで心を揺さぶられるとは思わなかった。デフォルメ化しているからこそ、プレイヤーの想像を働かせる余地と兄弟に対する微かなベビースキーマを感じさせる部分もあるということなんだろうか。個人的にはすごく良い塩梅の人物モデリングだと思う。

 

 

エピソード2 ルール

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雪中サバイバル~祖父母の家

 

季節が進んで冬。降り積もる雪のフィールドを進む二人をみて、少しラストオブアスを思い出してしまった。アメリカやカナダの雪景色は針葉樹とのマリアージュが美しい。

 

空き家にて暖と食料を確保し、二人で力の特訓をするほほえましいエピソードかと思いきや、マッシュルームの死。あまりにも突然の出来事で、かつまたこの子達から大切なものを奪うのか…と苦しくなった。きっとあそこでダニエルに力を使わせていたら、攻撃的で思い通りにいかないことをすべて力で解決するような子になってしまうと思ったので使わせなかった。殺しても、マッシュはもう戻ってこないしね…。

 

そんな空き家でのサバイバル生活を経て、ようやく祖父母の家にたどり着く二人。いかにも祖父母の家然としており、落ち着ける安心感と懐かしさがあった。整然と片付いた家ながらも、クリスマスの飾りつけや家族写真など、細部に愛情を感じるレイアウトが暖かく、今までの辛い旅路が嘘のようなしあわせなひと時だった。しかし隣人のクリスとダニエルが友達になったことで、遊びとはいえ力を惜しむことなく使い始め、このあたりから少しずつ言うことを聞かなくなってきたのだと思う。

 

だがそんな力の使い方をしていたからこその皮肉なのか、クリスがパトカーに轢かれたところでエピソード2は幕を下ろす。このあたりから今作は本当に容赦がないということを認識しはじめたと思う…。自分が超能力を使えると思い込み、親友を助けるために車に轢かれてしまうって…そんな悲しい体験を9歳の男の子にさせるか…?体験版でクリスをプレイさせ、子供の世界を子供の視点で冒険させた布石はこれかと。かわいい手法でとんでもない展開を用意してくれたものだよDONTNOD…。

 

 

エピソード3 不毛の地

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カリフォルニアの麻薬農園

 

「ダニエルの自我の目覚め」

「兄としての立場」

エピソード3は全体を通してこの二つにテーマが絞られていたように感じた。

徐々に反抗が強まるダニエルに終始手を焼くショーン。このあたりのダニエルの言動にはだいぶイライラしたプレイヤーが多かったのではないかと思う。ただ個人的にこの章は物語の大事な節目を担う役割があったと感じた。ダニエルは自分の能力に対しての承認欲求を満たしたい気持ちと、その気持ちを否定する兄に不満をつのらせ、自分を認めて対等に扱ってくれるフィンに心を開き、兄のように懐いていた。

 

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その反面、ショーンは自分の言うことを全然聞かないダニエルに苛々しつつも、自分よりもフィンに懐いていることに対して多少の妬みも感じ、兄としての振る舞い方を悩んでいた。不器用ながらも成長している兄弟関係が非常にリアルに描かれており、プレイしながら私はどちらの気持ちもわかるなあ…ともどかしい気持ちになりつつ、二人の関係性の展開にどきどき。さすがに給料ゼロになったときはダニエルおまえふざけんなと思ったが、コミュニティのみんなが優しすぎて泣いた。クソガキのせいで給料ゼロになったらさすがに怒るだろと思っていたけど、そんな人ひとりもいなかったよね、優しすぎでしょ…。

 

そして問題の事件。爆発のあとの翌朝、穏やかなBGMとともに爆発現場の様子が流れるシーン、その曲調とは裏腹に悲惨な現場の様子を映すという演出が個人的にかなり好きだった。キャシディ、フィン、メリルが映って、最後にショーンの番がくるわけだが、ガラスの破片が左目に突き刺さり血まみれという、他のどの人物よりも酷い有様なのが皮肉過ぎて辛かった。一般的なアニメや漫画だったら、味方の力は味方に及ばないというのが暗黙の設定になっているが、ダニエルの力にはもちろんそんなご都合主義はなく、敵味方容赦なく傷つけてしまったのである。そしてよりにもよって、一番ダニエルを守ろうとしていた大切な兄が重症を負う結果に。そんな残酷すぎる二人の結末に涙を流さずにはいられなかった。

 

 

エピソード4 信仰

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カリフォルニア~ネバダ

 

人種差別野郎に虐げられるシーンがほんっっっっっとに辛かった。一番つらかった部分といっても過言ではないと思う。たとえ子供であろうとこうも容赦なく弱者をいたぶり、差別し、侮辱し、痛めつけられる人間がいるのかと末恐ろしい…。ただの暴力ではなく、あえて「母国語」で屈辱的な言葉を言わせる、というのがやはり日本人からすると理解出来ないし、身近で起こりえないものだからこそ、未知の恐怖を感じて余計に気持ち悪さが増した。解放された後、くそっっくそっくそっくそっ!!!!!と泣きながら悔しさを声にするショーンが不憫すぎて、ただひたすらに心が痛かった…。無力な自分にも、あんな差別をする人間がいるこの国にも、何故こんな思いばかりをしなければいけないのかという自身の境遇にも、すべてに対して行き場のない怒りと悲しみがこみあげていたのだと思う。

 

そして場面は変わってダニエルを奪還しようと教会の中で何度も立ち上がるシーン。ひたすら泣きながら〇ボタンを押してショーンを立ち上がらせていた。こんなにも辛い思いをしているのにどうしてそこまでして立ち上がれるんだ…。ショーンだけこんなにも辛い思いをしているのに、それでもなおダニエルを助けたいと思ったのは、やはりこれまでの旅路の影響なのかなと。散々に反抗され、力を使って吹き飛ばされ、それでもなお自分にはもう弟しかいないわけで…なんとしてでも守らなきゃいけないという兄としての決意みたいなものも、バラバラになってはじめて芽生えたのだろう。自分はどうなってもいいから弟をとにかく助けたいという強い想いがあまりにも美しく、痛々しく、見ていられなかった。

 

 

エピソード5 狼たち

アリゾナ~国境

 

砂漠の大地アリゾナということもあり、カレンたちの住む集落「アウェイ」はさながらBURNING MANのアートキャンプのようだった。社会の秩序から離れて暮らしたい人々が集まるそのコミュニティは、自由で、開放的で、でもどこか時が止まったかのような感覚をおぼえる。みんな何かしら訳ありの事情で辿り着いているために、余計な詮索はせず、ほどよい距離感でお互いを助け合って暮らしている。そこの描写が非常にリアルで、みな本当に生きている人間のようにみえた。

 

 

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 各エピソード毎にいろいろな人たちと出会い、いくつかのコミュニティに属していたけれど、こういう物語をみる度に思うのが、日本だとどうあがいても実現が難しいということである。日本では年齢の壁を飛び越えコミュニティで親しくするというのがどうしたって難しい。まず年齢を考えてしまい、年上には敬語、年下にはタメ口と、そもそも言葉の使い方からして異なる。

私自身あらゆる国を旅してきて思ったが、海外では年齢の差なんて本当に関係がない。英語に敬語がない(厳密にいえばある)ことが大きな要因なのだろうけど、本当に気楽にどんな年齢の人でも話せて、かつ「友達」になれる。この文化の差は非常に大きいと感じたのだけど、今作でもヒッピーコミュニティやアウェイの人々と兄弟たちが接している姿をみてそう思った。みんな家族のように仲間意識があり、暖かく迎え入れ、ダニエルのことも子供扱いしないのだ。

 

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そんなところにまさかのデイビッド登場。前作の中でもとても好きなキャラクターだったからこそ再登場はうれしかったし、ゲーム開始時に聞かれた「アルカディア・ベイを犠牲にしましたか?」の質問はここに生かされてくるのかと感心した。私はもちろんどちらのENDも見たわけだが、はじめに選択したのは「アルカディア・ベイを犠牲にする」方だったため、こちらで進めていた。妻を失い、家を失い、住んでいた町を失い、そんな失意の中たどりついたのがこのコミュニティだと思うととても感慨深いものがある。彼も非常に数奇で残酷な運命を担わされた人間のため、ショーンの立場からすると少し共感するものがあったのではないだろうか。彼が自分の話をしてその上でアドバイスをしてくれた時は少しだけ心が救われた気がした。最後クロエから電話がかかってきたのもうれしかった。あの反抗娘もちゃんとパパに電話かけるようになったんだなあと。

 

 

 

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国境手前で捕まり、ついに警察へ。

警察署内でダニエルが力を使いショーンを助けに来た時は、「またここから逃げるのか…」と思ってしまった。一体何度脱走を繰り返すのだろうか。直接警察に捕まったというのに、まだ逃げ続けなければいけないのか。一体どこまでいけば逃げずに済むのか…もうそんなことを考えていた。

 

エピソード1からかなりの回数の逃走を二人は繰り返している。はじめは本能的に逃げていたが、途中からダニエルのための脱走になり、そして後半からはもう「ここまできてしまったから、後戻りはできない」という半ばヤケクソのような状態だったのではないかと思う。わからないけど、きっとショーンもこの旅は報われないことを予見していたのではないだろうか。なんとなくだけど、私はそう感じてしまった。

 

はじめからプレイヤーは「メキシコに行ったところで、本当に助かるのか?」という疑問が拭えなかったと思うが、署内のメキシコ人夫婦の会話を聞いても、メキシコからアメリカへ不法移住する人々が絶えないくらい環境も治安もよくないことがわかっている。とはいえ数えきれないほどの罪を犯してしまった兄弟たちが逃れるためには、もはや国外逃亡しかない。目指す場所にも明確な希望が持てず、それでも逃げ続けることしか方法がない、”逃避の生活から逃れるために逃避する”という状態だったのが余計に辛かった。

 

そして再びの国境。もうここへ来る前から、警察署を脱走した時から、この結果はみえていた。ショーンもあのまま逃げられるとは絶対に思っていなかったと思う。ただそれでも、逃げ続けなければいけないから国境まできた。そして、最後の選択を迫られる。

 

 

 

私は「自首する」を選んだ。もう、これ以上ショーンとダニエルに罪を犯してほしくなかった。特にダニエルには人を傷つける力の使い方はさせまいと選択を重ねていたからこそ、警察署内で脱走のためとはいえ彼の力で人を傷つけているのが嫌になっていたのだ。もうこれ以上、自分の弟に手を汚してほしくない、罪を犯してほしくない、その一心だった。

選択後の兄弟の会話は、この辛く厳しい旅路の最期にふさわしい、最高に残酷で悲しいものであった。「お兄ちゃん、頑張ったんだけどな…。」の台詞で涙腺崩壊…これまでのショーンの頑張りが無に帰る瞬間でもあったから、余計に辛いんだよなあ…。

 

 

なんとなくだけど、途中から話の大筋が「火垂るの墓」に近しいものを感じていて、はじめにお父さんが撃たれた時、逃げる選択をしなければここまで罪を犯すことも、辛い旅を送ることもなかったのではないかと思う。「火垂るの墓」で清太が二人で生きていく選択を選んだがために、結局生き延びることが出来ずに死んでしまったが、おそらく清太も親戚の家で世話になり続けていたら生きていられたのではと思う。10代の少年が自らの選択によって過ちを犯し続け、逃避し、弟妹を守りながら生きていくというテーマが、ひたすらに重く苦しいものであった。子供二人で生きていくには、この世はあまりにも残酷で無情なのだ。

 

 

総括

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前評判でとにかく重くて救われない、とは聞いていたがその通りだったし何なら想像の何倍も苦しかった。こんなにも報われないことがあるのかというくらい二人は過酷な運命を背負わされ、各エピソードを終える毎に重く長い溜息をついていた。

正直プレイするのにかなり心と体力を消耗するのでもう一度やりたいとは思えないが(誉め言葉)、それでも各選択肢が気になるのでちょこちょこYouTubeあたりで確認をさせてもらおうかなとは思う。

 

ただこれは間違いなく言えるのが、心に残る唯一無二の傑作だった。

人に大声で薦められるかと言えば素直にイエスとは言えないが、シリアスな話が好きな人、アメリカの社会問題を描いた作品が好きな人、とにかく泣ける作品をプレイしたい人…このあたりには間違いなく刺さると思っている。

ただひたすらに辛く苦しい物語だったが、こうして物語を終えた後にたくさんの想いがあふれている。これらは間違いなくこの作品をプレイしなかったら出会えなかった感情や想いなので、ひとつひとつ大切に紐解いていきたいし、心の底からプレイできてよかったと思っている。

 

 

 

 

 

今回はプレイ後の雑多な感想文だったので、次回は1と2の違いや対比してどうであったかについて書いていきたいと思う。

 

 ここまで読んでくれた心優しい方、本当にありがとうございました!

【FF14】 蒼天のイシュガルドクリア後感想【ネタバレ有】

前回はなぜMMORPGにハマったのか、というエントリーを書いてみましたので、今回はFF14の1つ目の拡張パッケージでもある「蒼天のイシュガルド」編の感想を書いていきたいと思います。
新生のラストからイシュガルドまで、ネタバレ全開で書いておりますので、未クリアの方は今すぐブラウザバックしましょう。まずはクリアするのです。
 それではスタート!
 
 
 
 
 
 
さて、FF14界ではよく「パッチ」というワードがよく使われるのですが、新生エオルゼアのメインクエストをクリアしてからイシュガルドに入るまでがこんなにも長いとは思いませんでした…。メインクエストが「X.0」だとしたら、そのあとに3~4か月の1回のスパンで5回程度にわけて「X.1~5」とその後のお話が続いていくのですね。そういった仕組みをもっているゲームを今までやったことがないので新鮮だったのと同時に、イシュガルドはまだか…イシュガルドはまだか…と呪文のように心で唱えておりました。それほどまでに蒼天のイシュガルドのメインストーリーの評価が高かったので、心待ちにしていたんですよね。
 
結論から言うと、最高でした。評価に違わぬ素晴らしく重厚なストーリーで、MMORPGでここまで感動させられるか…としばらく放心状態だったほど。どんなところがよかったのか、簡単に綴っていければと思います。
 
 
イシュガルド防衛戦勝利からの失墜
この流れを新生の最後にもってくるのは秀逸の一言。今までは基本"成功の物語"でしかなかったので、あそこまであげておいて一気にどん底に叩き落としてきたのはなかなかに上手いシナリオと演出だなあと思いました。
各国の政治と確執、対イシュガルトへの対応など大枠に目を向けさせていながらも、実はウルダハの内部で大きな陰謀が蠢いており、幾重もの伏線と幾重もの計略が複雑に重なり、あのような結果となってしまったわけですね…。
 
英雄から一転、罪人の汚名を着せられ、仲間とも散り散りになりながらも「暁の灯火を絶やさない」を合言葉になんとか逃げ延びていくわけですが、途中壁となってくれる仲間たちがよかった…!サンクレッドの数少ない見せ場もありながらも結果膝に矢を受けるという笑。彼はどれだけ不憫な役回りなのだ…。
 
そしてアルフィノと二人、命からがら逃げ延びた先が次の舞台となるイシュガルド。罪人の汚名を着せられ、仲間ともはぐれ、四面楚歌状態な主人公がなんとか落ち延びた先が雪国というのがまた良かったです。トレーラーの最初にもありましたが、吹雪で前すらまともに見えない凍てつく環境の中、一歩一歩雪を踏みしめて進んでいく様が主人公たちが直面してしまった過酷な立場を示唆しているようでした。それでも助けてくれる人がいるというのは、新生時代に各所を奔走してあらゆるおつかいをこなしてきた甲斐があったというものです。雪の家でオルシュファンが温かい飲み物をもってきてくれた時は泣きそうになりました。そんなどん底からのスタート、とてもイイ…!
 
 
 
アルフィノの成長
ここフィーチャーしてくれてよかったー!!!前からアルフィノは嫌いじゃないけどずっとお高くとまってるというか、自分は何もしないくせに命令だけしてるやつだと思っていたので、それを反省する機会があって非常によかったです。そうみせていたのはただの「キャラ」としてではなく、その奢りを省みて自身の成長につなげる意味があった上での振る舞いだったわけなので、この流れは気持ちよく受け止められました。
 

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雪の家で打ちのめされて、今までの自分を反省するところの演技が本当に素晴らしかった。。。ちなみにオルシュファンとタタルに叱咤激励されるシーンは、エースが死んだ後にジンベエがルフィを一括するシーンを思い出しました。みんな絶望するくらい辛いことがあっても、それでも仲間がいるから前に進む希望を抱けるんだよね…。タタルさんが泣きながら訴えるところはララフェルのかわいい泣き顔と声優さんの演技も相まって完全にもらい泣きしてしまった。。この場面でタタルさん人気の本質がわかりました。タタルさんはすごい。

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この一連の出来事からアルフィノは気持ちを入れ替え、自分にできることを少しずつ行動に移していくという能動的な人間に変わりましたね。あそこまで素直に己の未熟さを省みて、すぐに行動に移せる人間はそうそういないので、とても真面目でまっすぐな人なんだと思います。あのまっすぐさは見習わなきゃなあと。純粋でまっすぐが故にエステにゃんにいじられるあたりもかわいかった。このあたりからアルフィノは公式でいじられキャラ確定しましたね。いいと思います。
 
 

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こういったセリフにもあらわれていますが、随所で彼自身の成長が垣間見えるシーンが多々あって、一人のNPCキャラへのスポットの当て方が細かく本当に素晴らしいなあと全体を通して思いました。イシュガルド編を終えた頃には見間違えるほど心身ともに素晴らしい成長を遂げていて感動…。大きな物語とともに、一人の人間の成長の物語でもあったのがよりストーリーに深みを感じる所以だったのかなあと。彼はもう立派な「暁の賢人」です。
 
 
 
竜詩戦争とアイメリクという為政者
イシュガルド編は主に人と竜のお話で、なぜ1000年もの長い間戦が続いているのかという根本的真相の追究と、真相を知った上で両者の和解を求め奔走するという大きな二部構成だったわけですが、最初から最後までとんでもなくボリューミーなシナリオになっていて大変満足でした。長い長い、長編の物語を読み終えたような、そんな気分です。
 
竜詩戦争のきっかけのあたりはまあ王道というか、大抵は巨大な力に魅せられた人間が裏切るよね、というよくある話なんですが、私がこの話で語りたいのはそこではなく、真相を知った上で、では1000年もの長い間戦争を続けていた両者をどう和解させるか、そして為政者の立場である人間が自国の民にどう理解してもらうか、という部分なのです。
 
真相を紐解くと、そもそも平民も貴族もなく、竜との争いは元はと言えば人間の裏切りの所為という、今現在起きている争いのすべてが言ってしまえば「無意味」なんですよね。かといっていきなり真相を伝えたところで、はいそうですかと前を向けないじゃないですか。過去にその争いのために死んでいったものたちが報われず、自らの復讐心もどこへ向けていいのかわからず、あまりに唐突すぎてそんな簡単に受け入れられないですよ。それでも為政者としては、もうこれ以上無意味な犠牲者を出さないためにも、平和な世を迎えるためにも、両者が和解し、光ある未来へと進んでいかなければいけない。このあたりの葛藤と、度重なる失敗や妨害が非常にリアルに描かれていてグっときました…。
 
ファルコンネストでの式典で給仕の女性がしていた主張も聞いていて本当に辛かった…。彼女の主張はその通りだし、誰もが平和な世のため死んでいった大切な人たちと自らの無念を捨て去れるかといったらそうじゃないんですよ…。そういう弱者の主張をきちんとしたイベントシーンでしっかりと描いてくれていて、この作品のシナリオに対する本気度がわかりました。国は為政者だけのものではなく民あってこその国ですからね。それでも、何度失敗しても、自らの言葉と熱意とで民に真摯に思いを伝え、少しずつ前へ進んでいく。そんな選択と行動をしたアイメリクに感動を覚えました。
 

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いつの時代も変革には大きな痛みが伴うわけですが、多数の屍と痛みを乗り越えた先に、光ある未来が待っている。そんな辛くも力強いメッセージをもらえた素晴らしいストーリーでした。ほんとアイメリクにお仕えしたい。
 
 
 
ニーズヘッグ征竜戦のかっこよさ

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これについては全プレイヤーが思ったであろうことなので長くは言うまい…。
それくらい、イシュガルド編ラストにふさわしい盛り上がり方と、もうここで決着をつけなくてはという使命感をびんびんに感じさせてくれる最高の演出でした。
だってもうここの対峙の仕方かっこよすぎでしょ…プレイしながら震えたわ…。
なんというか、曲の切なさも相まってニーズヘッグを倒さなきゃというより、この悲しみの連鎖をなんとしてでも止めなきゃ…ってなるんですよね。ニーズヘッグだって犠牲者だし、肉体を失ってもなお長年の怨恨が強すぎてこの世に留まり絶望をまき散らしているわけですからね…ほんとに辛いですよ…。
 
 
 
 
こんな感じで個人的にイシュガルド編で特によかったポイントをまとめて書いてきたのですが、これを書いていてふと気が付いたのが、FF14はそれぞれの国で為政者やリーダーとなっている人間の考えと、その国の民の考えそれぞれ両者を丁寧に描いているところが魅力なのではないかと思いました。どんな作品であれ、主人公と旅を共にする側の人間(主に為政者)の主観に寄りがちかなと思うのですが、FF14はどの国のどの騒乱であっても、必ずと言っていいほど丁寧に両者の主張を描いてくれるので、主人公であるプレイヤーもきちんと客観的にみることができるんですよね。片方の主張がみえないと、かなりのご都合主義なストーリーになってしまうので、このあたりの細かいシナリオの気遣いには感服いたしました。毎度国の情勢を知るたびどんどん面白さが加速してく仕組み。
 
 
これを書いている時点でのストーリー進捗は、紅蓮の中盤にさしかかったところなのですが、ここでもまたいろいろとグッとくるものがあり…。それもまた紅蓮をクリアしたあたりで感想を書ければと思います。
 
イシュガルド感想は一旦これにて。
新生についてのことも今度かんたんに書こうかなと思います。
それではまた!
 

MMOをやったことのない人間が今更FF14にハマった話

コロナコロナなご時世ですが、皆様お元気でしょうか。

私はといいますとタイトルから察していただけると思いますが、見事にFF14にハマりましてゲーム廃人な毎日でございます。

 

ただ今までMMOってやったことがなかったんですよ。

よくあることだと思うんですが、通常のオフラインRPGみたいなガッツリ一人で進めていくゲームが好きだったので、MMOには苦手意識がありまして…。

ゲームの世界にまで人間関係を持ち込みたくないし、なにより一人でマイペースにやりたい!というタイプだったので、情報すら入れていない状態でした。

 

ではなぜそんな人間がFF14にハマったのか、その経緯と理由について書き連ねていこうと思います。

コロナな毎日で暇を持て余している人に、少しでもこの面白さが伝わるといいな、、!

 

 

 

 

 

 

プレイしたきっかけ

まずはきっかけのお話。世間が外出自粛モードへと突入した3月下旬、たまたまPlaystation storeを開いたところ、spring saleが開催されていたんですね。そこのTOPコンテンツとして掲載されていたのがFF14スターターパック。なんと30%OFFの約1,500円で遊べるという驚きの価格。もちろん、拡張パック未実装の「新生エオルゼア」のみのプレイ権ではありますが、このお値段で遊べるならやってみよう、と思ったのがきっかけです。

一応購入前にネットで評判を調べてみても、想像以上に高い評判で、新生エオルゼアが発売されてから約7年が経った今でもユーザーが増え続けているというモンスターソフトとのこと。しかも今でも常時コンテンツが追加され、シナリオも完結していないではありませんか!

これはせっかくの機会、プレイしてみよう!とひとまずスターターパックを購入してみたのでした。

※ちなみに、フリートライアルの存在も知っていましたが、個人的に無料でゲームをすることに抵抗があるので、今回ははじめからスターターパックを購入しました。

 

 

 

一体何にハマったのか?

①シナリオが濃厚で面白い

はじめにのめりこんだ理由としては、これが一番大きいです。

最初は慣れないシステムとUI、そしてできることが多すぎて何から手を付けたらよいのかわからない状態だったのですが、少しずつ慣れていくと、システムを理解する煩雑さを上回る世界設定とその舞台で繰り広げられていくストーリーがなかなかに奥深くてどっぷりハマっておりました。MMOって本当に勝手なイメージなんですが、ストーリーがそこまでしっかりしていないのではと思っていたので、これは非常に良い裏切りだったと感じます。

MMOであっても、中身はきちんとした王道RPG。自分という主人公がいて、パーティというわけではないけれど、もっと広義的な意味での”仲間”がきちんと存在している。むしろ、通常のRPGよりももっと世界が広く仲間の定義も大きくなっているので、その分よりリアリティと物語の壮大さが感じられて新しい発見となりました。

 

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巷でもよく言われている通り、新生エオルゼアはいわゆる”おつかい”が多く、少し面倒だったり手間がかかったりするクエストが多いのですが、それも振り返ってみれば、あの時助けたあの人がここで関わってくるんだ…ということが多く、広い世界をより親身に理解していくための措置だったのかな?と少しマクロに考えてみることにしています。

ただ、次に実装されるパッチ5.3ではエオルゼアのメインクエストを大幅にシェイプアップするとのことでしたので、今後はもっと遊びやすくなってサクサク進めると思います。(ちょっとうらやましい・・・!)

 

②世界がとにかく美しい

二つ目はこれです、RPGには欠かせないフィールドの美しさ。オープンワールドではないですが、それに近しいものを感じさせてくれる広大な世界はどこを切り取っても絵になります。時間帯や天気の変化にも目を奪われる作りこみで、常にメニューを消してSS撮っていました。特に今のご時世、旅行に行けなくても行けないですから。私はエオルゼアで旅欲を満たしているくらいには満足です。

自然の美しさやファンタジー世界ならではのフィールドはもちろんのこと、都市部の作りこみも非常に細かく、特にシーズナルイベントの時の装飾には驚きの連続。

 

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SSは前回のシーズナルイベント、エッグハント。

みんなで一斉にトリモチを投げつけのFATEはあんなカオスなことになるのかとびっくりしたいい思い出。

SSの撮り方がびっくりするくらい下手なのですが、街のあちこちにかわいいたまごの装飾が散りばめられており、この細かさには感動しました。。過去のインタビューで、シーズナルイベントの装飾には一人月と決めていると吉田Pがおっしゃってましたが、それでもこの作りこみにはスタッフ達の愛を感じました。

 

 

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また蒼天に入って少し経つと空を飛べるようになるんですよねー。これがまた、ゼルダのブレスオブザワイルドのパラセールで空を飛んだ時のような快感でよかった。。これまたパッチ5.3で新生エリアが空を飛べるようになるみたいで、移動の楽さはもちろんのこと、上空からみることによってまた新たな表情をみせてくれる新生エリアに期待です。わくわく。

 

③オフラインRPGをやる感覚でプレイできる

これが一番いい意味で裏切られたポイントだったのですが、基本はオフラインRPGをプレイしている感覚とほぼ変わらないスタンスでプレイすることができたのが良かったです。MMOをはじめる上で、自分含めおそらく多くの人がネックに感じるであろうポイントがオンラインが故の「人との絡み」だと思うのですが、絡むポイントといえばID(インスタンスダンジョン)と呼ばれる、4人ないしは8人のパーティを組んで突入するダンジョンと討滅戦(ボス戦)くらいなので、特段ストレスを感じたことはなかったです。もちろん初めてIDに入る時はめちゃくちゃ緊張しましたが、コミュニケーションも最初と最後の挨拶くらいだったり、途中ギミックについて伝えることがあればチャットするくらいのものなので初心者でもすんなりプレイしていくことができました。

 

はじめは失敗したりした時に怒られたり、ギスギスしたりするのでは…とびくびくしていましたが、そういった経験は今まで一度もありませんので、その点も安心してプレイできるかと思います。逆に親切な人が多く、初見だとわかると攻略しやすいように先導してくれたり、ターゲットにマーカーをつけてくれたりと、ひとつひとつの優しさに毎回感動しながら画面越しに御礼を言っているレベル。

 

ガッツリ人と絡みたい人はFC(フリーカンパニー)と呼ばれるいわゆるコミュニティグループのようなものがあるので、そこでコミュニケーションをとって一緒に遊ぶことが可能です。私もはじめはこういったことに少し抵抗があったのですが、TwitterでFCの人たちと盛り上がっている様子をみると、私も入りたい…!と思うレベルには成長したので、Twitterでフレンド募集をかけてみる予定です。

 

④音楽が良い

なんといっても楽曲は植松神と祖堅神が提供ですからね、良曲揃いで素晴らしいです。美しいフィールドに美しい楽曲が重なる空間に没入できるだけでもう最高の体験ですよ。特にボス戦の盛り上がりだったり、ストーリーが大きく転換する際に流れる音楽は映画レベル。

特に私は蒼天のイシュガルドのテーマソングでもある「DRAGON SONG」が最高に好きです。切ないストーリーにぴったりの女性ソプラノの力強くも儚い歌声とピアノの旋律。最&高。

 

 

こんな感じでつらつらと書いてきましたが、つまるところはやってみたらめちゃくちゃ面白かったという話なので、もし少しでも興味のある方はぜひこの機会にお手にとってみてはいかがでしょうか。

ちょうどGWのセールで30%OFFとかなので、今がチャンスです!!おうち時間のおともにぜひFF14をどうぞ!

 

詳細は公式のこちらから。

jp.finalfantasyxiv.com

 

ひとまずストーリーは紅蓮までいったところなので、新生~蒼天までの感想なども次回書いていきたいと思います。

 

蒼天の感想はこちら。

linkle24.hatenablog.com

 

※追記 漆黒5.3の感想はこちら。

 

linkle24.hatenablog.com