屋根裏のゴミ

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【FF14】 蒼天のイシュガルドクリア後感想【ネタバレ有】

前回はなぜMMORPGにハマったのか、というエントリーを書いてみましたので、今回はFF14の1つ目の拡張パッケージでもある「蒼天のイシュガルド」編の感想を書いていきたいと思います。
新生のラストからイシュガルドまで、ネタバレ全開で書いておりますので、未クリアの方は今すぐブラウザバックしましょう。まずはクリアするのです。
 それではスタート!
 
 
 
 
 
 
さて、FF14界ではよく「パッチ」というワードがよく使われるのですが、新生エオルゼアのメインクエストをクリアしてからイシュガルドに入るまでがこんなにも長いとは思いませんでした…。メインクエストが「X.0」だとしたら、そのあとに3~4か月の1回のスパンで5回程度にわけて「X.1~5」とその後のお話が続いていくのですね。そういった仕組みをもっているゲームを今までやったことがないので新鮮だったのと同時に、イシュガルドはまだか…イシュガルドはまだか…と呪文のように心で唱えておりました。それほどまでに蒼天のイシュガルドのメインストーリーの評価が高かったので、心待ちにしていたんですよね。
 
結論から言うと、最高でした。評価に違わぬ素晴らしく重厚なストーリーで、MMORPGでここまで感動させられるか…としばらく放心状態だったほど。どんなところがよかったのか、簡単に綴っていければと思います。
 
 
イシュガルド防衛戦勝利からの失墜
この流れを新生の最後にもってくるのは秀逸の一言。今までは基本"成功の物語"でしかなかったので、あそこまであげておいて一気にどん底に叩き落としてきたのはなかなかに上手いシナリオと演出だなあと思いました。
各国の政治と確執、対イシュガルトへの対応など大枠に目を向けさせていながらも、実はウルダハの内部で大きな陰謀が蠢いており、幾重もの伏線と幾重もの計略が複雑に重なり、あのような結果となってしまったわけですね…。
 
英雄から一転、罪人の汚名を着せられ、仲間とも散り散りになりながらも「暁の灯火を絶やさない」を合言葉になんとか逃げ延びていくわけですが、途中壁となってくれる仲間たちがよかった…!サンクレッドの数少ない見せ場もありながらも結果膝に矢を受けるという笑。彼はどれだけ不憫な役回りなのだ…。
 
そしてアルフィノと二人、命からがら逃げ延びた先が次の舞台となるイシュガルド。罪人の汚名を着せられ、仲間ともはぐれ、四面楚歌状態な主人公がなんとか落ち延びた先が雪国というのがまた良かったです。トレーラーの最初にもありましたが、吹雪で前すらまともに見えない凍てつく環境の中、一歩一歩雪を踏みしめて進んでいく様が主人公たちが直面してしまった過酷な立場を示唆しているようでした。それでも助けてくれる人がいるというのは、新生時代に各所を奔走してあらゆるおつかいをこなしてきた甲斐があったというものです。雪の家でオルシュファンが温かい飲み物をもってきてくれた時は泣きそうになりました。そんなどん底からのスタート、とてもイイ…!
 
 
 
アルフィノの成長
ここフィーチャーしてくれてよかったー!!!前からアルフィノは嫌いじゃないけどずっとお高くとまってるというか、自分は何もしないくせに命令だけしてるやつだと思っていたので、それを反省する機会があって非常によかったです。そうみせていたのはただの「キャラ」としてではなく、その奢りを省みて自身の成長につなげる意味があった上での振る舞いだったわけなので、この流れは気持ちよく受け止められました。
 

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雪の家で打ちのめされて、今までの自分を反省するところの演技が本当に素晴らしかった。。。ちなみにオルシュファンとタタルに叱咤激励されるシーンは、エースが死んだ後にジンベエがルフィを一括するシーンを思い出しました。みんな絶望するくらい辛いことがあっても、それでも仲間がいるから前に進む希望を抱けるんだよね…。タタルさんが泣きながら訴えるところはララフェルのかわいい泣き顔と声優さんの演技も相まって完全にもらい泣きしてしまった。。この場面でタタルさん人気の本質がわかりました。タタルさんはすごい。

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この一連の出来事からアルフィノは気持ちを入れ替え、自分にできることを少しずつ行動に移していくという能動的な人間に変わりましたね。あそこまで素直に己の未熟さを省みて、すぐに行動に移せる人間はそうそういないので、とても真面目でまっすぐな人なんだと思います。あのまっすぐさは見習わなきゃなあと。純粋でまっすぐが故にエステにゃんにいじられるあたりもかわいかった。このあたりからアルフィノは公式でいじられキャラ確定しましたね。いいと思います。
 
 

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こういったセリフにもあらわれていますが、随所で彼自身の成長が垣間見えるシーンが多々あって、一人のNPCキャラへのスポットの当て方が細かく本当に素晴らしいなあと全体を通して思いました。イシュガルド編を終えた頃には見間違えるほど心身ともに素晴らしい成長を遂げていて感動…。大きな物語とともに、一人の人間の成長の物語でもあったのがよりストーリーに深みを感じる所以だったのかなあと。彼はもう立派な「暁の賢人」です。
 
 
 
竜詩戦争とアイメリクという為政者
イシュガルド編は主に人と竜のお話で、なぜ1000年もの長い間戦が続いているのかという根本的真相の追究と、真相を知った上で両者の和解を求め奔走するという大きな二部構成だったわけですが、最初から最後までとんでもなくボリューミーなシナリオになっていて大変満足でした。長い長い、長編の物語を読み終えたような、そんな気分です。
 
竜詩戦争のきっかけのあたりはまあ王道というか、大抵は巨大な力に魅せられた人間が裏切るよね、というよくある話なんですが、私がこの話で語りたいのはそこではなく、真相を知った上で、では1000年もの長い間戦争を続けていた両者をどう和解させるか、そして為政者の立場である人間が自国の民にどう理解してもらうか、という部分なのです。
 
真相を紐解くと、そもそも平民も貴族もなく、竜との争いは元はと言えば人間の裏切りの所為という、今現在起きている争いのすべてが言ってしまえば「無意味」なんですよね。かといっていきなり真相を伝えたところで、はいそうですかと前を向けないじゃないですか。過去にその争いのために死んでいったものたちが報われず、自らの復讐心もどこへ向けていいのかわからず、あまりに唐突すぎてそんな簡単に受け入れられないですよ。それでも為政者としては、もうこれ以上無意味な犠牲者を出さないためにも、平和な世を迎えるためにも、両者が和解し、光ある未来へと進んでいかなければいけない。このあたりの葛藤と、度重なる失敗や妨害が非常にリアルに描かれていてグっときました…。
 
ファルコンネストでの式典で給仕の女性がしていた主張も聞いていて本当に辛かった…。彼女の主張はその通りだし、誰もが平和な世のため死んでいった大切な人たちと自らの無念を捨て去れるかといったらそうじゃないんですよ…。そういう弱者の主張をきちんとしたイベントシーンでしっかりと描いてくれていて、この作品のシナリオに対する本気度がわかりました。国は為政者だけのものではなく民あってこその国ですからね。それでも、何度失敗しても、自らの言葉と熱意とで民に真摯に思いを伝え、少しずつ前へ進んでいく。そんな選択と行動をしたアイメリクに感動を覚えました。
 

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いつの時代も変革には大きな痛みが伴うわけですが、多数の屍と痛みを乗り越えた先に、光ある未来が待っている。そんな辛くも力強いメッセージをもらえた素晴らしいストーリーでした。ほんとアイメリクにお仕えしたい。
 
 
 
ニーズヘッグ征竜戦のかっこよさ

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これについては全プレイヤーが思ったであろうことなので長くは言うまい…。
それくらい、イシュガルド編ラストにふさわしい盛り上がり方と、もうここで決着をつけなくてはという使命感をびんびんに感じさせてくれる最高の演出でした。
だってもうここの対峙の仕方かっこよすぎでしょ…プレイしながら震えたわ…。
なんというか、曲の切なさも相まってニーズヘッグを倒さなきゃというより、この悲しみの連鎖をなんとしてでも止めなきゃ…ってなるんですよね。ニーズヘッグだって犠牲者だし、肉体を失ってもなお長年の怨恨が強すぎてこの世に留まり絶望をまき散らしているわけですからね…ほんとに辛いですよ…。
 
 
 
 
こんな感じで個人的にイシュガルド編で特によかったポイントをまとめて書いてきたのですが、これを書いていてふと気が付いたのが、FF14はそれぞれの国で為政者やリーダーとなっている人間の考えと、その国の民の考えそれぞれ両者を丁寧に描いているところが魅力なのではないかと思いました。どんな作品であれ、主人公と旅を共にする側の人間(主に為政者)の主観に寄りがちかなと思うのですが、FF14はどの国のどの騒乱であっても、必ずと言っていいほど丁寧に両者の主張を描いてくれるので、主人公であるプレイヤーもきちんと客観的にみることができるんですよね。片方の主張がみえないと、かなりのご都合主義なストーリーになってしまうので、このあたりの細かいシナリオの気遣いには感服いたしました。毎度国の情勢を知るたびどんどん面白さが加速してく仕組み。
 
 
これを書いている時点でのストーリー進捗は、紅蓮の中盤にさしかかったところなのですが、ここでもまたいろいろとグッとくるものがあり…。それもまた紅蓮をクリアしたあたりで感想を書ければと思います。
 
イシュガルド感想は一旦これにて。
新生についてのことも今度かんたんに書こうかなと思います。
それではまた!