屋根裏のゴミ

おもにゲームとか映画とか旅行とか、超独断と偏見に基づいたことをおすすめするブログ。

Switchの予約をし損ねてむしゃくしゃしたのでニーアオートマタを買いました。

ついこの間2017年になったと思ったらもう3月!

信じられない…本当に信じられないスピードで時間が進んでいきますね…。

 

そんなこんなでついに3月に突入してしまったわけなんですが、ゲーマー界で3月と言えばもうアレしかないですよね。

 

 

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はいそうです。

Nintendo Switchです。

 

前にもどこかの記事で書きましたが、残念なことに予約し損ねまして…愛しいゼルダの最新作がローンチタイトルだというのにこの失態たるや。もはや一生の恥レベル。

いつ手に入れられるのかはもう神のみぞ知るといった感じなんですけど、次のタイミングでこそは絶対にゲットしたいと思います。

というか、Switchのローンチは実質ゼルダだけみたいなもんですけど、初動どんな感じなんでしょうね…。海外人気はとんでもないのでまあわかりますけど、日本国内だと影響力がん~~?と思ってしまいますが…。とにもかくにも最新情報は欠かさずチェックするように心がけたいと思います。

 

ということで、世間がSwitchの話題でもちきり!ウハウハ!しているのと、月末月初の忙しさに辟易していたのも加わり、購入を先延ばしにしていたニーアオートマタを買いましたよ~~~~。

 

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ででん。

まだプレイしておりません。はやくやりたいなあウズウズ

 

実はニーアの体験版はバッチリプレイ済みなのですが、アクションがやはり最高ですよねー。2Bたんのスタイリッシュな戦闘モーションとパンチラがダイナミックすぎて操作しててんぎもっちいいいっいいっっってなります。

 

そして今回も相変わらず周回プレイ前提のシナリオ、そして素晴らしい楽曲が勢ぞろいということでワクワクが止まりません。特に前者の仕組みについては、ニーア独自のものですからね。ゲームをクリアしてもなお、別の展開で楽しませてくれるこのギミックには脱帽です。

 

一点だけ、3D酔いとダンジョン内での迷子(方向音痴のため)が心配ですけどプレイするのが今から楽しみでございます。

 

気になってソワソワしている方はこれを機会に一緒に買っちゃいましょう!

 

そして前作をプレイしていない方はぜひこちらも。

 クリアしたらまた感想の垂れ流しを書きにもどってきたいと思います。

ではまた!

 

感情移入型の人におすすめ!独断と偏見で選ぶゲームミュージック10選

どうもこんばんは。

世間はNintendo Switch一色ですね。昨日の予約日では各店舗やEコマースで瞬殺だったと聞いております。そんな中私は10時過ぎまで爆睡をかましていたので見事にSwitchの予約を逃しました。

ゼルダローンチなのに…悲しすぎる…。

 

そんなこんなで世間のSwitch予約戦争からいち早く強制離脱させられてしまった私ですが、最近倉庫から引っ張り出してきたBOSEのスピーカーにて大音量で音楽を聴くことにどっぷりハマっております。

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BOSEスピーカーの上でNow playingを教えてくれる猫目すん。

 

もちろん、昔からゲームミュージックは大の好物で聴き漁っていたのですが、このBOSEスピーカーで聴くとまた一段階上の世界にいけるというか、今までいいなあと思っていた曲が更に良い…!!と感じるようになりました。

 

そんなこんなで非常にテンションが上がったついでに、超独断と偏見で選ぶ、私的ゲームミュージック10選をご紹介したいと思います。

(※筆者はいわゆるレクイエム系の聴いていてカタルシスを覚えるような曲調が好きなので、かなり偏っております。ご了承くださいませ。)

 

本来ならば1曲ずつ語りたいところなんですが、時間がいくらあっても足りないので、ある程度まとめてご紹介していきたいと思います。その中でも、どうしてもこれが…!という曲は1曲に絞ってご紹介いたします。

 

1.ゼルダの伝説 風のタクト

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 エントリーNo.1はやはり、私をゲームの道へとずぶずぶ引きずりこんでいったこちらの作品。今思い返すと、ゲームミュージックにハマりだしたのも、タクトがきっかけだったと思います。

南の島のような文化がちらほら見受けられる本作では、世界観に合わせて民族調の音楽で、聴いているとなんだか東南アジアの島でビーチに寝そべっているような、そんな感覚を掻き立てられます。また、ゼルダといえば毎回「楽器」がストーリーの鍵となっておりますが、今作は「指揮棒(タクト)」。リンクが一つの楽器を奏でるのではなく、様々な楽器の奏者をタクトで導く、という設定も個人的には非常にツボでした。

 

▼好きなトラック

・勇者伝説

・おばあちゃん

・中ボス

・森の儀式

・ゴードン

・風の勇者

・地神・風神の唄 などなど…

 

太陽が降り注ぐキラキラした世界の中にも、どこか神秘的な物悲しさ、儚さみたいなものを感じさせる曲が多いですね。

あとは個人的に、ボスの登場曲がどれも好きでした。ゼルダはボス戦をとても大事にしているなーといつも感じていて、そのボスの特徴を捉えた曲が恐ろしいほど丁寧につくられていてただただ脱帽…。語っているとキリがないのでこのへんでやめておきます笑。

 

▼こんな人におすすめ!

民族調の楽器が好きな人、オーボエの悲しい曲調が好きな人、南の島が好きな人

 

ゼルダの伝説~風のタクト~オリジナル・サウンド・トラックス

ゼルダの伝説~風のタクト~オリジナル・サウンド・トラックス

  • アーティスト: ゲーム・ミュージック
  • 出版社/メーカー: サイトロン・デジタルコンテンツ
  • 発売日: 2003/03/19
  • メディア: CD
  • 購入: 1人 クリック: 57回
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2.ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス

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ゼルダ続きで申し訳ないのですが、嬉しいことに昨年サントラを発売してくれたトワプリです。

こちらは先ほどのタクトと打って変わって、正統派ゼルダでかつ教会音楽に近しい曲調が多い、かなり西洋クラシック的な音楽。昨年行かせていただいたゼルコンでも思いましたが、何よりオケ映えのする曲が多いです。特にコーラスの方々が入る曲が多いので、教会でミサを聴いているようなそんな感覚になれます。もし教会で時の神殿の曲とか聴いたらリアルに召されそう…。

 

▼好きなトラック

・タイトル

・Teaser Music #1 ←これYoutubeでしぬほど聴いてました

・ルテラのテーマ

・傷だらけのミドナ

・森の聖域

 

全てにおいて、「神聖さ」を感じさせる曲調だと思います。

個人的にルテラのテーマが死ぬほど好きで、ハープで弾いてみてえええええと勝手に思ってました。とにかく聴いていて、美しい曲だなと感じます。色で表すと天女の羽衣みたいな玉虫色のようなオーロラ色のような、そんな淡いグラデーションを放っているような感じです。

 

▼こんな人におすすめ!

教会音楽が好きな人、バロック音楽が好きな人、神秘的なコーラスに身を委ねたい人

 

ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス HD オリジナルサウンドトラック

ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス HD オリジナルサウンドトラック

 

 

 

3.ペルソナ4

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はいきましたペルソナ4です。

ゲームミュージックサントラとしては異例の売上を見せた伝説のアルバムです。

実をいうとペルソナシリーズを初めてプレイしたのは4だったんですが、はっきり言って衝撃的すぎました。何このオサレ音楽、意味わかんない。ほんとこれに尽きます。

ゲームをプレイしていない人ですら音楽目当てでこのサントラを買っている人が多くいるほど。このサントラの質の高さがうかがえます。

ちなみに筆者はゴールデンよりも無印派なのであえてそっちのサントラを推します。

 

▼好きなトラック

・Pursuing My True Self

・Songs Of Love

・Backside Of The TV

・Heartbeat, Heartbreak

・I'll Face Myself

・Heaven

 

もう名曲揃い過ぎて正直選べないんですが、ざっとこんな感じ。

POPでROCKな曲が多いですが、どこかアヤシイ、不安定な曲があるのも魅力的。

原曲も大好きですが、Never moreというアレンジCDも最高なのでそちらも合わせて是非。

 

 ▼こんな人におすすめ!

天気のいい日にノリノリで音楽を聴いて歩きたい人、ロックバンドが好きな人、やる気を出したい人

 

「ペルソナ4」オリジナル・サウンドトラック

「ペルソナ4」オリジナル・サウンドトラック

 

 

↓アレンジverもめちゃくちゃおすすめ!

ネバー・モア -「ペルソナ4」輪廻転生(通常盤)

ネバー・モア -「ペルソナ4」輪廻転生(通常盤)

 

 

 

4.ペルソナ3

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はいペルソナ続きですすいません。

こちらは4とはまた違って、このタイトル画像をみた印象からもわかるように、かなりクールでヒップな曲が多いです。目黒大明神は一体どれだけの引出を持っているんだよ…。

正直なところ、曲だけで比べてしまうと3>4だと感じるくらい、3は全てが名曲。

都会の反抗心を抱えた若者の心理?そんな印象を受ける曲が多いです。攻撃的でノリノリな曲調なんだけど、ふとした瞬間に思春期特有の情緒の不安定さや脆さ、気だるさを感じるような、そんなサントラです。ゲームを知らない人でも、とにかく聴いてもらいたい一品。

 

▼好きなトラック

・Burn My Dread ←死ぬほどすき!!!!!!とにかく聴いてほしい

・Want To Be Close

・When The Moon's Reaching Out Stars

・巌戸台分寮

・Mass Destruction

・Master of Shadow ←イントロが神

・Deep Breath Deep Breath 

・キミの記憶 ←カラオケで歌いたい… 

 

どれもこれも好きすぎて選べないのが結論。戦闘曲やボス戦曲はもう言わずもがなの名曲でカッコイイ!の一言に尽きるわけです。個人的にはボス戦曲のクールに戦闘がはじまるあの感覚がたまらんのですよね。アクションじゃなくてターン制のゲームだからこそできるボス戦のサウンドだと思います。

 

▼こんな人におすすめ!

ヒップホップが好きな人、社会に反抗心を持っている人、 若者の気持ちを取り戻したい人

 

ペルソナ3 オリジナル・サウンドトラック

ペルソナ3 オリジナル・サウンドトラック

 

 

 

バーン・マイ・ドレッド -「ペルソナ3」輪廻転生-

バーン・マイ・ドレッド -「ペルソナ3」輪廻転生-

  • アーティスト: ゲーム・ミュージック,Lotus Juice,川村ゆみ,小宮知子
  • 出版社/メーカー: アニプレックス
  • 発売日: 2007/04/18
  • メディア: CD
  • 購入: 6人 クリック: 95回
  • この商品を含むブログ (54件) を見る
 

 

↑アレンジ版のサントラもしぬほどおすすめ!原曲がまるっと素敵アレンジによって輪廻転生しております。目黒大明神のお力に脱帽。

 

5.キャサリン

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アトラス信者かな?って感じの連投ですみません。

今作はジャズ系の大人なメロウミュージックが多いんですが、ゲームをしているとアメリカ映画を動かしているような、そんな感覚になれる曲が多いです。ストレイシープというバーでお酒を飲んだり常連さんと話をしたりという行動フローがあるのですが、あんなシャレオツなバー近くに欲しいいいいいと思うくらい、落ち着いていて現実世界と良い意味でリンクした不思議な空間を作り出していると感じました。

 

▼好きなトラック

・ブルックスはかく語りき

・Stray Sheep

 

「ブルックスはかく語りき」、この曲に尽きます…!!

夜間接照明で照らした部屋でウィスキーをロックで飲みながらメロウなジャズを流して大人の時間を楽しむ…そんなシチュエーションを見事に体現した一曲。いや、こんな大人な時間を過ごせたらいいんですけどね…なかなかね…。

夜この曲を流しながらボディクリームを塗ったりストレッチをしたり…というリラックスタイムを過ごすのにぴったりです。

この曲以外にもクラシックをアレンジしたパズルステージの曲もなかなかに良いのでおすすめ。個人的には「だったん人の踊り」のアレンジがツボでした。

 

▼こんな人におすすめ!

リラックスしたい人、ジャズが好きな人、クラシックが好きな人

 

キャサリン オリジナル・サウンドトラック

キャサリン オリジナル・サウンドトラック

 

 

 

6.ゼノブレイド

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以前記事でも書きましたが、何故か就活の時期にしぬほどハマってリアルに寝る間を惜しんで1週間でクリアした名作中の名作。リメイク前より風の噂でめちゃくちゃ面白いと聞いていましたが、これは心の底からやれてよかった…!と思える作品でした。

ゲームとしての完成度もさることながら、音楽が素晴らしく良いのですよ…。この作品の完成度を高めている要因の一つとして、音楽と演出のパーフェクトなマッチングだと思っているんですが、それくらいプレイヤーの気持ちをストーリーの盛り上がりと共に高めてくれる最高の相乗効果を生み出してくれる素晴らしい作品でした。それくらい、聴いていて最高に気持ちが良かった…。

 

▼好きなトラック

 ・メインテーマ

・敵との対峙

・燐光の地ザトール 夜

・マクナ原生林 昼

・サイハテ村 夜

・堕ちた地で…

 

どのゲームミュージックにも当てはまることですが、ゼノブレイドの曲は全体を通して、ゲームをプレイした人がより気持ちをのせて二度美味しい聴き方ができると思います。敵との対峙なんて、ゲーム中のあらゆるムービーが頭の中で駆け巡りますもん。。

あのサビにかけて上りつめていく感じがたまらんです。ほんとたまらん。 

またフィールド曲は昼と夜で違う曲になるのが素晴らしいですよね。昼夜や天候をグラフィックだけでなく、BGMも一緒に合わせて変化させてくれることによって、より没入感を生み、私たちをゼノブレイドの世界へ誘う効果があると思います。

 

▼こんな人におすすめ!

気持ちを高ぶらせたい人、RPGらしいフィールド曲に癒されたい人、ハードでロックな戦闘曲が好きな人

 

Xenoblade Original Soundtrack

Xenoblade Original Soundtrack

 

 

 

7.FINAL FANTASY XV

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はい、噂のFFXVです。

もうね、別の感想記事でも述べましたけど、なんといっても下村陽子さんの作曲スキルに頭が上がりません…ほんとすげーよこの人…。

下村さんはラフマニノフが好きらしいんですけど、今作にはそれがかなり滲み出ていたように感じました。とにかく壮大で、厳かで、交響曲なんじゃないかって曲がこれでもか!と収録されています。

 

▼好きなトラック

・Somnus

・Valse di Fantastica      ←最&高!!!!

・APOCALYPSIS NOCTIS

・Melancholia

・Sunset Waltz

・NOCTIS

 

ここにあげたものは特に好きなもので毎日スマホで通勤時に聴いてるくらいです。

Valse di Fantasticaを初めて聴いた時はびっくりしたなー…えっこの曲がフィールド曲でいいの!?ってなりました。ワルツのリズムと旋律が美しすぎて、ショパンのシルフィードの中に入っててもおかしくないような仕上がり。ついつい踊りたくなります。

また、メインテーマからのNOCTISと続けて聴くと涙が心の底から湧き上がってくるので注意です。破壊力120%

 


Final Fantasy XV Live at Abbey Road Studios

ちなみにこちらはイギリスのAbbey Road Studioでオケ演奏された時の映像。フルで公開してくれるなんてスクエニさん太っ腹。下村さんも最後ピアノで参加されていたりと超貴重映像ですのでまだ見てない方は是非。耳がしあわせになれます。

 

▼こんな人におすすめ!

とにかく壮大な曲が好きな人、ラフマニノフが好きな人、悲しい曲調が好きな人

 

 

 

 

8.NieR RepliCant

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スクエニが続きますが曲の系統はここから少し斜め上へと軌道が変化してまいりますよー。

こちらはより悲しい、というか悲壮感の強い曲揃いになります。なんというか、悲壮というよりも絶望というか、死の世界を見ているようなそんな感じ。でも不思議と感じる色は「白」なんですよね…ただひたすらに悲しいだけでなく、儚い美しさを感じさせる透明感のある音や旋律があるからなんだと思います。

 

▼好きなトラック

・夏ノ雪

・イニシエノウタ/デボル ←ずっと聴いていたいくらい癒しの曲

・心閉ザセシ鉄棺

・オバアチャン

・全テヲ破壊スル黒キ巨人

・カイネ

・エミール

 

曲名がいかにも中二病な感じなのが玉に傷なんですが、そんなんどうでもよくなるくらいには一つ一つの曲が個々の世界観を持っていて独特なニーアの世界に引き込まれていきます。ボーカルのエミ・エヴァンスさんの声がまた透き通るような響きをもっていて、最高のハーモニーが生まれるんですよ…。全て造語にも関わらず、彼女が作詞をしたというのだから驚きです。

私もデボルさんみたいに噴水の前でイニシエノウタをアコギで弾き語りしていたい人生だった…。

 

▼こんな人におすすめ!

気持ちが病んでる人(笑)、音楽に救われたい人、レクイエムが好きな人

 

ニーアゲシュタルト&レプリカント オリジナル・サウンドトラック

ニーアゲシュタルト&レプリカント オリジナル・サウンドトラック

 

 

 

9.アルトネリコ~澪~~星詠み~

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知る人ぞ知る、というかゲームミュージック界では屈指の名作、ゲームソフト界としては屈指のクソゲー音楽ゲー、アルトネリコです。

この作品は志方あきこさんの音楽のために存在しているといっても過言ではないくらい、音楽に軸が置かれた作品です。ちなみに筆者はソフトに関してはあまりにもつまらな操作がわからなすぎて途中で放棄しました…ごめんなさい…。

 

▼好きなトラック

・謳う丘

・EXEC_CHRONICLE_KEY/.

・星詠~ホシヨミ~

 

謳う丘は比較的有名ですよね。

少し好き嫌いが分かれるジャンルかとも思うので、こちらに関してはもう言葉で説明するよりも、まあまずは一曲聴いてみてよ、と言う他ありません。それで大丈夫なら志方さんの世界への第一歩はクリアです。そして、そこから更に前へ前へと進んでみてください 。きっと今までに見たことのない世界が目の前に広がっているはずです。

…だんだん新興宗教の勧誘表現みたくなってきたのでこの辺でやめておきます。

志方さんは一種の宗教。

 

▼こんな人におすすめ!

ヒーリング系音楽が好きな人、女性の高音ボーカルが好きな人

 

「星詠~ホシヨミ」-Ar tonelico hymmnos concert Side 蒼-

「星詠~ホシヨミ」-Ar tonelico hymmnos concert Side 蒼-

  • アーティスト: 志方あきこ/石橋優子,志方あきこ,石橋優子,土屋暁,篠田朋子,青木香苗,Leonn,工藤順子,中河健,阿知波大輔,稲垣貴繁
  • 出版社/メーカー: ハッツ・アンリミテッド
  • 発売日: 2006/01/25
  • メディア: CD
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「澪~ミオ」~Ar tonelico2 hymmnos concert Side.蒼~

「澪~ミオ」~Ar tonelico2 hymmnos concert Side.蒼~

 

 

 

10.花帰葬

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「もっと評価されるべき」

もうね、ほんとにこれ。個人的に志方あきこさんの真骨頂だと思ってますこのアルバム。何故こんなに素晴らしすぎる大作のアルバムがここまでマイナーな場所でくすぶっているのか…一人でも多くの人に是非耳にしてもらいたいアルバムNo.1です。

この楽曲たちもなかなかニーアとかと雰囲気自体は似ているんですが(女性の高音ボーカルやミサ系)唯一違う点と言えば、若干ですが花帰葬の方が音に光がある気がします。ニーアは死や絶望感が強く、最終的にはBADENDを想起させるような曲調が多い気がするんですが、こちらはなんとなく光が差し込んでいるような、絶望の中にも一縷の希望があるような、そんな楽曲になっていると思います。

 

▼好きなトラック

・花帰葬

・白く降り続くもの

・邂逅

・玄冬

・薄明

・Agnus Dei

・泡沫

・Se l'aura spira

 


志方あきこ‐Se l'aura spira

↑騙されたと思って聴いてください。本当に癒されます。

 

正直このアルバムに関しては思い入れがありすぎでとてもじゃないけど簡潔に表現できません。

 

サントラの他にも、ロシアのオケで演奏したオーケストラ版CDがあるんですが、これがまた最高すぎて語彙力を失います。以前このアルバムをAmazonで注文した時、はやく聴きたすぎて超エキサイトしていたがために、CDを包んでいるビニールを開けると同時にフタごとぶっ壊すというトンデモ事案を引き起こしたことがありました。こんなアホすぎることをしてしまうくらいには興奮する作品です。本当にまずは聴いてもらいたい。

 

▼こんな人におすすめ!

クラシックが好きな人、冬に合う曲が好きな人、癒されたい人、女性の高音ボーカルが好きな人

 

 

花帰葬 PS2+PD SOUND TRACKS

花帰葬 PS2+PD SOUND TRACKS

 

 

↓ロシアのオケ版 超絶おすすめ

 

花帰葬交響曲

花帰葬交響曲

 

 

 

 こんな感じでまとめてみましたがいかがでしたでしょうか。もし皆様のお気に入りになる曲が一つでもご紹介できたなら非常に幸せです。

 

…にしても暗いですねーこのリスト笑。前半はまだいいですけど後半ニーアからの流れがひどいひどい笑。どんだけ根暗なんだよコイツと思われても仕方がないリストになってしましましたが、これが中高の青春時代をともにした楽曲たちです。(特に志方さん)そして、間違いなく自分の音楽人生、そして趣味嗜好に多大なる影響を及ぼした音楽でもあります。

みなさまもこの音楽たちと一緒にカタルシスを感じる日々を送ってみてはいかがでしょうか。きっと違う世界が開かれるのと同時に、ヤバい奴になれますよ!

 

おーしまい。

ペルソナ5は何故ペルソナ4を超えられなかったのか|超個人的感想

はじめに断りを入れておくと、このタイトルはあくまで「自分にとって」何故ペルソナ5がペルソナ4を越えられなかったのか、ということであり、決して「世間的に」という意味ではないのでご注意願いたい。

また、管理人にとってペルソナ4は今までのゲーム人生でNo.1と言っても過言ではないくらいの作品であり、ターニングポイントをつくってくれたきっかけでもあって、非常に思い入れが深い。

※4も5もネタバレ全開なので、未プレイの方はここでブラウザバックを推奨します。

以上のことを踏まえた上でOKな方のみどうぞ。

 

 

 

さて、先日ペルソナ5をクリアして、その感想記事を書いたわけだが

linkle24.hatenablog.com

 

クリアして暫く経つと、やはりどうしても前作であるペルソナ4と比べてしまう自分がいることに気が付いた。それは何故なのか。

ゲームのハードもPS4となり、システムもUIもグラフィックも何もかも全て前作を上回っている。だがしかし、それらシステム面の向上に敵わないエンターテイメントにおける唯一無二の存在、シナリオ・ストーリーがどうしても、どうしても超えられなかった。

 

ということで、今回はペルソナ5をクリアした後だからこそ考えられる、ペルソナ4の素晴らしい点、そしてペルソナ5が一歩及ばなかった点について語っていければと思う。

 

ポップな外見とは裏腹に、中身はダークでエッジの効いたシナリオ

よくペルソナ4はポップかつリア充過ぎてそこが合わないという声を耳にするが、正直な所ここまでダークで見たくもない現実を突きつけてくる作品は中々ないと個人的には思う。

 

ペルソナという力は、本来の心理学の意味も含めて「自らの仮面」。つまり自分自身であり、自らの内面をそのまま映し出した姿だといえる。そしてこのペルソナの力を得るためには、誰しもが心に宿している弱い自分・コンプレックスに感じている自分を認めて許容し、昇華する必要があるのだ。

 

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例えば陽介は、都会から田舎に引っ越し、つまらない日常に退屈していたところに殺人事件やマヨナカテレビといった非日常の事件が起こり、そこに巻き込まれながらも心の中ではそれらを楽しんでいる自分がいた。

完二は裁縫などの”女の子らしい”趣味を持っていたがために「男のくせに」と陰口を言われることに辟易し、人から拒絶されることを恐れ、コミュニケーションを拒否していた。

 

こういった弱い自分、コンプレックスに感じている自分、自分だと絶対に認めたくないような自分が、誰しも心の中に必ず存在する。そういった”もう一人の自分”は妬み、僻み、嫉み…様々などす黒い感情を何かに対して抱いた時に現れるが、当然ながらこんなどす黒いものを直視したい人なんているはずもなく、そのためゲームを含めたあらゆるエンターテイメントで直接的に描かれることは比較的稀であると感じる。

 

しかも追い打ちをかけるように、ペルソナ4の世界ではこの見たくもない”もう一人の自分”がマヨナカテレビという装置によって肥大化しているのである。この仕組みは本当にうまいなあと唸ってしまうのだが、メディアで取り上げられた人間に対して「もっと知りたい」「もっとみたい」という人間の欲望がマヨナカテレビという箱をつくりだし、決して真実ではない、事実を歪めたよりゴシップな映像を生み出してしまった。

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これは最近の芸能界で言えば、ベッ〇ーや成〇君の事件などがいい例で、こういった特に人の不幸やタブー的側面に関わる事件が起きると、大衆はこぞって詳細を知りたがる。それが真実か嘘かそんなことはどうでもよく、ただ面白おかしくその事件を消費したいのである。

 

大衆の歪んだ欲望は、サウナを生み、ストリップ劇場を生んだ。

自分の見られたくないものがより誇張され、歪んだ方向に肥大化した”フィクションの物語”がメディアと大衆によって形成され、世の中へと垂れ流しにされる。こんな恐ろしい公開処刑があっていいものだろうか。これがあくまで2次元の世界で起きていることのため、私たちはエンターテインメントとして楽しむことができるが、これがもし3次元のリアルの世界だったとしたら。…ここから先は考えたくもないのは言うまでもない。

 

 

ペルソナ5における、ペルソナ覚醒のきっかけの弱さ

 上で述べたように、ペルソナ4の登場人物達はみなそれぞれ心の中に闇を抱えており、苦しみながらもそれらと正面から向き合い、自分の力へと昇華させていった。

ここでペルソナ5の登場人物達がペルソナ能力を手に入れる過程を思い出していただきたいのだが、橋野Dインタビューにはこう記述されていた。

 

そして『ペルソナ5』では、まわりの環境によって自分らしさを抑圧され、未来まで奪われそうになっている主人公たちが、荒ぶるシャドウとも言うべき“本音”を鎖でつなぎながらも解き放つ。そうすることで、世界を変えていくような力強さのあるペルソナが発現する。これが、ジュブナイルRPGでピカレスク・ロマンを描こうとしたときの、“ペルソナ”の解釈です。現実で本音を爆発させたら社会的にうまくいかないことも多々あると思いますが、ふだんは抑え込んでいる想いこそが、人の個性の源だったりもしますし、それを大いに発散していく本作のゲームプレイで、スカッとした心地になってもらえればと。

 

www.famitsu.com

 

もちろん橋野Dが述べていることは頷けるし、中々表に出して表現し辛いような部分を描こうとしたのは素晴らしいと思う。しかしながら、「ふだんは抑え込んでいる想いこそが、人の個性の源だったりもしますし、それを大いに発散していく本作のゲームプレイで、スカッとした心地になってもらえれば」とあったが、残念なことに私はここで「スカッと」出来なかった。

 

それは何故か。

単純に言ってしまえば、敵の行動も目的も「陳腐」だったからである。

 

今回の「敵」という存在は、様々な悪行を行っている「腐った大人たち」であったが、こういう大人達の目的は結局、自分の私利私欲のためなのである。どんな種類の悪行をやっていようとつまるところ「私利私欲」に帰結してしまい、どうしても陳腐に感じてしまう点が拭えなかった。あらゆるエンターテイメント作品にありがちな金や地位、名誉、何故か世界征服を企む悪役。私にはそれと同じにしか映らず、登場人物たちと同様に怒りの感情を露わにすることが出来なかった。

 

「私利私欲」による悪行というのは、「悪役」にするための使い古された至極便利なツールである。よくヒーローもので、弱者を食いものにする敵に対して「許せない!」等の台詞を放ちながら敵を成敗していく、という構図をよく見かけるだろう。つまるところ、ペルソナ5もこの構図通りに進んでしまったのである。細かなキャラクターの背景などは、今の時代感にあった社会的問題を盛り込もうとした姿勢は感じられるが、この構図が根底にある限り、陳腐と感じてしまう要因は消し去ることができなかった。

 

本当に悪いのは一体誰?

この点ペルソナ4は非常に画期的だった。事件の真犯人である足立の動機は、私利私欲でもなんでもなく、ただ単純に「面白かったから」という理由である。

初プレイ時、この展開に対して非常に感心したのを今でもよく覚えている。現代社会の抱える闇の一つとして「退屈さ」というのが挙げられるが、彼も田舎に飛ばされたことによる「退屈さ」が事件を起こす一つのきっかけでもあった。これはかの有名なデスノートの主人公、夜神月くんが一連の事件を起こしていく最初のきっかけでもある。

 

少し話が逸れてしまうが、現代に起きている奇妙な事件の原因は比較的この「退屈さ」にあると考えている。人間は暇を持て余すということに対して強いストレスを感じるらしく、忙しく動いていると決して考えもしないようなおかしなことを考えたりする。この「退屈さ」が引き起こす問題の代表格として「いじめ問題」があると私は考えるのだが、5のPV(山手線に乗ってるムービー)でこの文字が見えた時はてっきりこのテーマに切り込んでいくのかと思い、ぞくぞくした。(残念ながら使われなかったが)

 

話を戻すと、現代社会の抱える闇の一つである「退屈さ」が足立の犯行を後押ししたと考えると(もちろん直接的には、らっしゃーせーが与えた力なのだが)、4で起きてしまった一連の事件の原因は、元を辿れば「社会の歪み」である。単なる足立という愉快犯の責任、ということではなく、直接的な動機のないこういった愉快犯を生み出してしまった根本的な原因は何であったのか、真エンドではきちんとそこまで突き止めていくのである。現実世界でも、おかしな事件が起きてしまった時に「嫌な時代だなあ」と、なんとなく時代の責任にし、そして他人事のように感じてしまう部分があるかと思うが、元を辿るに辿れば、自分たちの行動や姿勢にも、その責任の一部はあるのではないだろうか。

 

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特に私は、いつも何か事件が起きた時に「容疑者」だけに刃が向けられることに対して違和感を覚えていた。事件を起こした犯人に責任があるのは当然のことであるが、たまにそれだけでは説明のつかないような、社会のシステム自体が容疑者を犯行に追いやってしまったというケースも多々あると感じている。そういう根本的な問題に目を向けないで、お手軽な方へ簡単な方へと事態を流していってしまうこの世の中に対して、それっておかしいんじゃない?と疑問を投げかけることは非常に難しいことであるが、このペルソナ4という作品はやってのけた。これが何よりも私が評価している点であり、自分のゲーム史に残る最高の作品である所以なのである。この点5は勧善懲悪ストーリーとなっていたため、事象の奥深くに潜んでいる「根本的な原因」を突き止めていく、という要素がかなり薄かった。

 

もう「悲劇」による感情移入はできない

キャラクターに感情移入が出来なかった理由としてもう一つの要素があった。

それは、キャラクターへ感情を寄せるきっかけを「悲劇」に頼ってしまっている点である。

ここで述べている「悲劇」とは、キャラクターの背景として、親の死などわかりやすい悲劇性を持たせることによって、このキャラクターは苦労している可哀想なキャラなのだ、という意味付けをするという、これもまた使い古された手法である。

今作は主人公を筆頭として、パーティメンバーの境遇がなかなかに酷い。今回は「居場所がない若者」というのをテーマにしているので当然なのだが、「悲劇」にも種類があり、5に感じた印象としては、どこかこう「オラオラ!ひどいだろ!!怒れよこの大人たちに!!」という半ば暴力的で強引な、物理で殴ってくる感じの「悲劇」の見せ方だったように感じる。既に身近ではない悲劇の設定+強引な見せ方は、現実と乖離しすぎて感情を乗せることができなかった。

これが単純なファンタジーのゲームであるならば、割り切って考えられるのだが、ペルソナの良さは「実際の現代社会」を舞台にしているところだと思っている。私たちプレイヤーにも起こりうるような、現代社会に潜んでいる闇、事件に焦点をあてて、ゲーム仕様に着色したのがペルソナの肝であると考える。そのため、舞台は現代社会であるにも関わらず、設定がちょっとファンタジー寄りになっており、そこのちぐはぐ感が亀裂を生み出してしまったように感じる。

 

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その点、4のキャラクター達はどこにでもいそうな、比較的平凡な学生だった。もちろん、アイドルや探偵などというレアジョブキャラもいるが、設定はレアだったとしても、実際に彼らが抱えている悩みは現実と乖離しておらず、非常に納得のいくものだ。現代社会の若者誰しもが、今の時代だからこそ抱えている闇、悩みといったものに焦点をあてているため、「悲劇」に頼ることは一切なかった。キャラクターに感情移入するために、「悲劇」ではなく「弱さ」や「ダメなところ」見せることによって私たちに共感を促した。誰にでもあてはまるような事柄だからこそ、誰でも共感できるし感情を乗せることができる。これが4の素晴らしい良さの一つでもあり、4のキャラクターが愛される所以でもある。現実でも自分の友人や恋人の弱いところを知れば、より好きになるのと同じだ。

 

 

 ということで、長々と関係のないことまで述べてしまったが、こんな感じで今作は自分の中で前作を超えることができなかった。ただこれは4の完成度が究極に高すぎてしまったこともあり、その前作を超えていく、ということ自体非常に悩ましいことだったのだろうと思う。その中で世界的にあれほど評価されたペルソナ5という最新作を生み出したアトラスは本当に素晴らしいと思う。

あらためてまた述べさせてもらうが、今回はアトラスとペルソナ5という作品に対してリスペクトをもって、あえてこういった記事を書かせてもらった。ペルソナという作品が私にとってとても大事だからこその、勝手な個人的な意見であり感想なのである。

 

【FF15】良かったところと悪かったところを雑にまとめてみた

前回は主にエンディングを中心に全体についての感想をぼんやりと書いてきたので、今回は細かいものをつらつらと書いてきたいと思います。

 

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修学旅行にきた高校生かな?笑

 

〇よかった点

・メインパーティが男4人

初めから全員揃ってるパーティなんて大丈夫?しかも女の子なし???と思ったけどそんな心配は杞憂に終わりました。基本的にこのゲームの醍醐味は水曜どうでしょうだと思っているので、あそこに女子が入ってしまうと一気に無粋になっちゃう気がするんですよねー。だってどうでしょうに女性がレギュラーでいたらおかしいですからね笑。男子校ノリの修学旅行でバカやってる感じがなんとも微笑ましくて良いわけです。まあ父親殺されて国を乗っ取られた一国の王子がそんな修学旅行気分で旅してていいのかと言えばそうではないんですけど。

途中イリスがパーティインして一緒にキャンプとかもしましたけど、グラディオの妹という立場なので安心できます(?)。RPGの醍醐味の一つに、物語の途中から次々と新しい仲間がパーティインし、そこからパーティの絆が深まる、というのがあると思うんですけど、今回は初めから強い絆で結ばれていて、一度絆を深めた仲間との、その先にあるお話という感じで、こういう要素もたまにはいいのかもーなんて感じました。

 

・写真機能

なんだかんだ毎日の楽しみになっているプロンプトのスキル、写真なんですけどもこれが予想外によかった!
宿泊時にその日の振り返りとしてみれるのはもちろんのこと、それらを毎日みて、お気に入りは保存して、っていう作業がラストの写真を一枚選ぶ→ENDで流れてくる、というシーンに上手く組み込まれてて素晴らしいと思いました。この流れを考えた人は天才。毎日の写真の積み重ねがなかったらあそこまでの感情移入はなかっただろうし、旅してた日々に想いを馳せることもなかった気がするわけです。写真システムに関しては、このゲーム唯一の、過程を大事にしてるとこなのかなあと。

逆にいえば、寄り道をほとんどせずにメインシナリオのみクリアした人はあのENDでグっと来ることはないだろうし、これまでの「旅」に特別な感情が生まれないのかもしれないですね。

 

・いい意味での「リアルさの追求」

ただ単に写実的にするとかじゃなくて、ガソリンが減るから給油するとか、キャンプをするから食事をつくるとか、宿泊するまで身体の汚れや焦げなどがとれないなど、今までのゲームでないがしろにされてた部分を「あえて」強く演出することによって、普段当たり前にやってることだからこその新鮮味があったと思います。


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特にキャンプの演出は素晴らしかった。。
きちんとその日に選んだ料理を食べ、チョコボがいると一緒に寝、トランプやキングスナイトをして遊び…と、ここまで「旅」の様子を濃厚に描いてくれる作品はなかなかないので個人的にとても嬉しかったです。
おにぎりを作りこんでるヒマがあったら~とあちこちで言われていますが、あのリアルで美味しそうなおにぎりがなかったら、わざわざ標によってキャンプをしようとは思わないです。あのイグニスママの美味しい料理があったからこそ、彼らの旅により没入することが出来たのだと思います。

 

・街や拠点の作り込み

これアメリカに取材とかいったんですかね?だだっ広い荒野や拠点にあるダイナーの感じがまさにアメリカで、さながらルート66でアメリカ横断をしてる気分でした。これに関しても一つ前で散々書きましたが、ノクトたちの旅に没頭させるための良いリアルさだったと思います。

FF15をプレイして、アメリカでキャンパーに泊まりたくなりましたもん。Airbnbで結構泊まれるので次アメリカ行く時はキャンパーを考えてます。これマジ。


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あとは言わずもがなオルティシエのベネチア感やレスタルムの中米感もよかった…。

 

こう…良かったところを振り返ってみてみると、私は本当に旅が好きなんだなあとしみじみ感じます。そして、FF15はそんな旅好きの心をグイっと鷲掴みしてくる作品でした。例えるならばこの作品はバックパッカーの放浪旅みたいなものなんだと思いますきっと。オルティシエ以降は違いますけど、それまでは目的を問わない放浪の旅。だから常にスケジュールがギチギチで観光メインの旅行が好きな人には味わい尽くせない要素が強かったんだと思います。こりゃ二極化するわ。

 

とまあ前回から引き続き良かったところばかりをあげてきましたけど、もちろんストーリーはガバガバで悪い所もたくさんあるので、それも一応、置き土産として書いておきます。

 

〇悪かった点

・グラディオ離脱

 突然訳もわからず離脱したグラニキ。これほんっっとに意味が分かんなかったんですけどなんだったんですか??王の盾としてもっと強くなりたい的な気持ちが本人の中にあったんでしょうか。だとしたらそれを匂わせる発言やイベントがないと、プレイヤーは完全に置いてけぼりだし、なによりこうやって推論させるのは考察でもなんでもないです。シナリオとして完全に失敗してます。復帰してからのノクトの反応も、全て分かってたぜ的な感じで完全に???でした。何となくですけど、AIによる自動会話発生に力を入れすぎて、こういう意図的なキャラ同士の会話や布石イベントが手抜きになってしまったような気がします。AI会話は確かによかったですが、それは土台となるものがあった上での新しい技術なので、本末転倒になりかねないよな~という感じでした。

 

・プロンプトのカミングアウト

 これについてもグラニキのと同じで匂わせイベントが皆無なわけですよ。これら全部DLCの中で補完とかだったら殴るぞほんと。もしね、プロンプトが途中スパイ的なことをやってたり、なんか怪しいぞ??過去に何かありそうだぞ???みたいなイベントがあれば、このカミングアウトにも納得いくし、更に仲間の絆が深まるわけなんですけど、ムードメーカーにいきなりスポットがあたって、実は敵国の生まれでした!ごめん!て言われても、いや知らんがなって話ですよ。その後のノクトの反応も以下略。ほんとにほんとにキャラの掘り下げがテキトーすぎる。せっかく良いパーティなんだからもうちょっと深く突っ込んで欲しかった…。

 

・街が少ない

今回拠点とかもあるので定義がアレなんですが、いわゆる大きな街が少ないよなーというのがありました。オルティシエの作り込みをしすぎて他が作れなくなったんじゃないかと感じるレベル。映画等でルシスの町並みも見ていたので、あのあたりも動かしたかった…新宿を闊歩したかったよ…。オープンワールドなのはいいんだけど、もうちょっとね、、こう…地図には見えてるのに行けないっていうもどかしさがありました。地図にあるのに行けないオープンワールドってどういうことだってばよ…。

 

・夜が長くなってること

 物語がリニアになってきた段階でシナリオを理解する気力がだんだんと薄れたため、ちゃんと聞いてなかっただけかもしれないんですけど、夜が長くなってるのに全く気が付きませんでした!!!

あれいつから長くなってたの…?笑。突然テネブラエ(だっけ?)で、最近夜も長いし~みたいな話を聞かされて????ってなりました。こういう物語が転換するような点はきちんとピックアップして、イベントシーンを盛り込むべきだと思うんですよ…。例えばどこかに向かう途中で、

 

プ「そういえば最近日落ちるの早くない?気のせいかな?」

ノ「そうかー?」

グ「確かに言われてみればそうかもしれないな…」

イ「少し嫌な予感がするな。何かおかしなことが起きなければいいんだが…」

 

的なイベントをいれるとかね、やってほしかったわけですよ。FF13はあれこれ映画かな?と思うレベルでイベントシーンが多すぎたんですけど、今回はちょっと少な過ぎたかもですね。

 

 

全体的に、大事なイベントごとをほのめかすようなセリフ、サブイベなどが完全にぬけていて、最後に事実だけがオマケのように伝えられるということが多かった気がします。(チャプター13とニフルハイムのことに関してはもう突っ込むのも疲れるのでやめます)

 私は良かった点で述べたように、シナリオに関係しない旅要素のおかげでこのゲームを全力で楽しんで、ENDも納得することができたから、この説明不足すぎるシナリオも、まーいーやと許容範囲に収めることが出来ましたが、もしこれがFF15を10年間楽しみに楽しみに待ち続けたシナリオ重視のプレイヤーだったら、まあブチ切れたくなる気持ちもわからなくもないです。それくらい説明不足なシナリオを映像美とカッコよすぎる演出で押しきった作品です。

 


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でもまあ、

怒りに身を任せても何にもならないので、そこは一旦落ち着いて釣りでもしてみてはいかがでしょうか。

そういった日々の積み重ねが、このゲームを受け入れて、楽しむ秘訣なんだと思います。

たまには頭を使わずのんびりとした冗長な時間を過ごすのも悪くないですよ。

 

 

とりあえず今後のDLCは買う予定ですし、トロフィーフルコンとまではいかなくともまだまだ遊び尽くそうと思ってます。

 来週にはサントラも発売されますし、しばらくの間はFF15漬けになりそうな予感でございます。

【ネタバレ有】FF15クリア感想/旅を充実させた人こそが感動できる最高のEND

初めてノクトのビジュアルを見てからはや10年。あの時中二だった私も今や社会人…ということで、 ついに、ついに、あのファイナルファンタジー15が発売されました。

10年という時が長すぎて、なんだかよくわからないんですけども、2016年はこれに加えて同じくらいの年月を賭した「人喰いの大鷲トリコ」も発売されるわけで、VR元年と並んでとんでもないアニバーサリーイヤーですよね。

 

ということで、早速クリアしたので簡単に感想を書いていきたいと思います。

(ちなみに私のFF歴は9、10、13と非常に偏りがあります。なのでそこまでFF自体に詳しくはないのでご容赦くだされ。)

 

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はい、こんな感じでレベル39、クリア時間24時間。

まずはじめに全体的な総評をしてしまうと、相当面白かったです!世間では色々と言われていますが、私は大好きです、このゲーム。

 

そりゃ手放しで最高!素晴らしい!とは言えないですけれども、心の琴線に触れるような、ズシンの響くような、そんな要素が一つでもあればその作品を愛する傾向にあるので、今回は何がそこまで心に響いたのかを中心に書いていけたらと思います。

 

映画を見て、BHを見て、クエストをこなして、それからもう一度ENDを見て欲しい

上に載せたクリア認定証なんですけど、これはやはりストーリーが気になってしまい、後半はクエスト等をあまりこなさずサクサクと終わらせてしまった最初のプレイなんですよね。それでもやはり広大な世界をチョコボやレガリアで駆け抜けたり、釣りやキャンプをするという旅の本来の目的とは離れた日常的なシーンも大好きだったので、クリアデータでひたすらまた遊んでたんですよ。それでBrotherhoodも見て。(ちなみに映画は映画館で見たんですけど、レイトショーだったので最後の方眠くてあまり覚えてないです笑)

これらをした後にはもうあのメインパーティ4人への思い入れが非常に強くてですね、もう一度ラスボスを倒して、もう一度あのエンディングを目にした時には、ふと涙を流している自分に気が付きました。

あれ…一回目ではこんなに感動しなかったのに…。

 

ということで、あのENDが微妙、全然面白くない!と感じている方は、おそらく仲間との他愛もない旅の日常がまだまだ足りていないんだと思われます。メインシナリオとは関係のない、些細な日常シーンがあるからこそ、仲間たちと過ごした平和な日常があんなにも愛おしく感じられるわけです。

 

「誰もが感動できるエンディング」とはこういうことだった

二回目にクリアしたあと、ようやく腑に落ちました。スタッフロールに流れる、写真のスライドショーがずるいんですよ。だってあれ、プレイヤーごとに流れる写真が違ってくるわけじゃないですか。プレイヤーが今まで築いてきて仲間との旅路が一つずつ流れてきて、今までどんな旅をしてきたのか、どんな思い出があったのか、スタンドバイミーの曲と共にプレイヤーに振り返らせる。つまりはプレイヤーの数だけエンディングがあるわけです。

 

あんなことしたなー、こんなことしたなー、楽しかったなーと、一通り振り返りが終わったと思ったら、最期のキャンプシーン。

 

「…わりぃ…やっぱつれぇわ」

 

ここのたっつんの演技には非常にグッときました。

今まで言えなかったけど、言っちゃいけないと思ってたけど、ここまで一緒に戦って旅をしてくれた仲間達だからこそ、最後に自分の心内を伝えることができたんでしょうね。

そりゃつれぇよ…ノクト可哀想すぎるよホント…。ティーダは帰ってきたし、某親善大使も別の形で戻ってきたけど、ノクトは無理だよね…ああ辛い。

 

そして最後の最後、ルーナとの結婚式。

現実では再会を果たせなったけれども、あちらの世界ではどこまでも穏やかに、どこまでも幸せに二人で暮らしてほしいなあという切なる願いが募るシーンでした。ファイナルファンタジーのメインテーマとノクトパパのナレーション、そして玉座に残る最後に選んだ旅の写真。その写真を穏やかな表情でルーナに見せるノクト。このシーンはこれでもかというくらいの切ない要素を詰め込んで泣かせにかかってきてます。こんなにも穏やかで切ない相乗効果があるのかと…。

 

からのロゴの秘密が明かされるわけなんですけども、生ける伝説感があって非常によかったです。いや生きてないんですけど。まさかあちらの世界でノクトとルーナが寄り添っている姿がロゴだったとは…。

そこからクリア後のタイトル画面に戻った時はしばらく放心してしまい、あそこまで余韻のあるエンディングはここ最近体験したことないなあと、素直に感動してしまいました。

 

 

演出と余韻がすべてのゲーム

正直なところ、途中途中のシナリオは本当にガバガバで、説明不足だったり描写不足の部分が多々ある作品だったとは思います。だとしても、私はそこまでゲームというエンタメにシナリオの整合性を求めたりもしない人間なので、個人的には音楽と演出が心に残ればオールオッケーだったりします。その視点でいうと、今回のFF15という作品は私にとってとても意味のある素晴らしいゲームでした。

というか、個人的にあのENDを見てから、あーだこーだとシナリオに対する文句を言う気力がなくなっちゃったんですよね。プレイ中はたくさん文句があっても、クリア後はそんなことどうでもよくなった、この結果こそが良作だった証拠なのかなと思っております。ただしチャプター13、お前だけは許さん。

 

 

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ということで、個人的には10年間待った甲斐があった、と言える作品でした。もっと細かい感想もまた今度書きたいと思います。

こんな素敵な作品を生み出してくれたスクウェアエニックスさん、ありがとう。そして最高の音楽を届けてくれた下村陽子さん、ありがとう。

これからも、まだまだ4人で旅をし続けます!!

 

↓迷っている人はいますぐチェック!

ゼノブレイドをクリアしたので感想とか

就職活動真っ最中だというのにクリアしましたよ!

あの超絶時間がかかると言われているゼノブレイドですはい!

 

 4/2に買って、4/12にクリアしました。

10日間でプレイ時間約70時間…一日平均7時間プレイしていたようですね恐ろしい…。

普通にプレイすると100時間以上はかかると言われているのでだいぶ巻きでやりましたが途中レベル補正に引っ掛かり相当レベル上げに費やしたりもしましたがなんとかクリア。

 

いやー面白かったですよホントに!

久しぶりにRPGをプレイして心の底からわくわくしました。

 

以下色々まとめていきまーす。

若干ネタバレあるので注意。

 

★評価ポイント

音楽、演出、カメラワーク、魅せ方…これに尽きます。

もうね、ゼノブレイドの何が一番素晴らしいかって、やっぱり演出だと思うんですよ。上記に挙げたものを全てまとめて「演出」と言わせてもらってるんですけど。

途中途中に入るイベントシーンでもう全部持ってかれます。

レベル上げめんどくせえ!とか直前まで思っててもそんなことどうでもよくなるくらいアツいんですよ、ええ。

おそらく、カメラワークが精密でなく、あの絶妙なタイミングで盛り上げてくれるBGMがなかったら、あそこまでプレイヤーの気持ちを引き込むことは出来なかったんじゃないかと思います。

それくらい、ゲームにおいて「演出」の重要性が感じられた作品でした。

 

個人的には「敵との対峙」が大好きなので、あの曲が流れるイベントでは常に心の中で「うおおおおおお」と叫んでました笑。

特に最初の監獄島イベントとか。あそこでゼノブレイドがここまで評価される理由を完全に理解できたような気がします。

うまい具合に散りばめられていた謎が少しずつ解明されていって、そして今後起こるであろうこと、そしてラスボスの存在…こういったものをうまくプレイヤーに推察させる構成がよかったです。プレイヤー側の自由な解釈の余地がないゲームは少し退屈に感じさせてしまうので…。

自分である程度のところまで推測して、その答えを確かめるために先をプレイさせる、この流れがスムーズで良いですね。長いとか、めんどくさいとかそういった気持ちはあまり生まれなかったように思います。

 

もちろんフィールドも素晴らしいですよ。

恥ずかしながら今までオープンワールドの作品に触れたことがなかったので、広大なフィールドを探索する楽しさが今作で初めて味わうことが出来てワクワクしてました。特に秘境ポイントを発見した時は「おおおおおお」ってなりますよね。ここまで来た甲斐があった!みたいな笑。

あとフィールドが平面に広がっているんじゃなくて、立体的に上へ上へ広がっているのが新しい発想で素晴らしいと思います。世界地図=平面という固定概念を見事に覆してくれました。

巨神の身体を探索していくわけなので、腕はどうなってるんだろ?とか、ここの上にはどんな世界が広がっているんだろう?という妄想が捗る世界観でした。

ノポンタワーの上に海が広がっているのとかね、ファンタジーだからこその発想ですよね。お告げの間から見るエルト海とか大好きです。本当は森なのに水の底にいるようなあの不思議な感覚は何ともいえないです。水の光が差し込んでてたいへん幻想的でございます。

 

★ちょっと残念なポイント

個人的に残念だったのがストーリーですね…。

中盤まではものっすごいよかったんですよ!!いくつかの謎とシュルク達の旅の目的と、色んな想いが錯綜していて激アツだったんです。

ただ、最後でセカイ系になってしまうのがなんとも…うん。

だって最後何で突然宇宙でてきた!?地球とかもそうだけど、あの宇宙実験みたいなくだりはいらなかったんじゃないかな…あれを入れるとしたらもうすこし地球での話を掘り下げたほうがよかった気がします。後付け感がビンビンなので。

あと、巨神界の生命たちがいずれ巨神に喰われてしまう~の流れまではよかったんですよ。でもそこでザンザをあのキャラクターとして出さない方が良かったんじゃないのかなって。神と名乗る者は基本的に概念あるいは得体の知れない巨大なモノ、そのどっちかの方が感情移入しやすい気がします。ああいう人の形をしたキャラクター化されてしまうと、それで一気に悪い意味での親近感が出てしまうんですよ。だからもっと人じゃないキャラクターの方がよかったかなって。

 

でも世間的にはストーリーもものすごく評価されているようなので、ちょっとひねくれた意見なんだと思いますごめんなさい…。

 

でも全体的には素晴らしい完成度でとっても面白かったです!

ちなみにクリア後はひたすらクエストやって遊んでます。こういったクリア後もずっと遊べるシステムはいいですよね~~。クリア後の独特な賢者タイムもあまりないですし。(もちろんあるのはあるで良いです)

あれだけクエストがあると、このゲームは一体どんだけのボリュームを含んでるんだ!?と、あのちっさい3DSのカセットをまじまじと見てしまいます。

しかもこんなバケモノソフトが3000円で買えるっていうんだから恐ろしいですよ。。

こんな作品が携帯機で遊べるようになったこのご時世に感謝ですね…。昔は据え置き派だったのに今ではすっかり携帯機ばかりですよ。あの一瞬でゲームを中断できる機能は素晴らしいですね…いつでもどこでもプレイして中断できる、素晴らしいです。

 

そんなこんなで長くなりましたがゼノブレイド、とっても面白かったです!

まだプレイされてない方は是非!おすすめのRPGでございます~!!

 

※追記1/21

Nintendo Switchにてゼノブレイド2なるものが発売するみたいですね!!

キャラデザが任天堂ぽくないのがちょっとアレだけど超たのしみ!! 

 

↓2の発売までに無印をプレイしよう!

そろそろ冬なので花帰葬を全力で考察してみる

 「この世界はどうしたら君に償えるんだろう…」

 

非常に印象的なフレーズがキャッチコピーの、Haccaworksによって制作された同人PCゲーム。発売後、予想以上の反響があったため現在ではPS2版とPSP版に移植されている。

最近VITAを起動しなさすぎてただの文鎮と化していたのだが、このゲームがVITAでもDLできると聞いたのでふと懐かしくなり久々にプレイしてみた。ら、予想以上にどっぷりハマっている自分がいたのでつらつらと感想を書いていこうと思う。

花帰葬

花帰葬

 

 実はこの作品、私にとって初めて志方あきこさんを知ることになる、最初のきっかけであった。

 

中学生時代、例によってネット中毒の片鱗をみせていた私はふらふらとネットの海を漂っている最中に、ふと目に留まったのがこのゲームのOPだった。

そのページには、この花帰葬というゲームのOPの曲が素敵すぎて何度もリピートしている…などと書かれており、興味を惹かれた私は再生ボタンを押した。

正直言って、衝撃だった。今まで出会ってきたどの音楽にも属さない独特な旋律、そして美しい歌声。そんな神秘的な音楽にのせて動くゲームのOPも、白く、儚く、そして切ない映像だった。

私は生まれつきの性格上、一瞬でも自分の心に触れたモノはすぐにでも深く知りたくなる性分なのだが、このゲームも例外ではなかった。

すぐにゲームを買いに走り、一日中プレイした。後にフルボイス化して発売されたPS2版もプレイした。そして今回、数年ぶりにDL版をプレイ。…うん、やっぱり良い。すごく良い。

 

話の流れを知らない方のために超簡単に解説しておくと、まず特徴的なのが登場人物が5、6人ほどしか出てこない箱庭ゲームであるということだ。人が人を殺しすぎると「玄冬」が生まれ、彼を媒介として雪が永遠に降り続き世界を滅ぼしてしまう。だがもし「救世主」が「玄冬」を殺せば、雪は止んで世界は滅びを免れる…という、そんな可哀想な運命を背負った「玄冬」と「救世主」の話である。

 

「世界が滅ぶ」というのは最早ゲームにおける鉄板ネタであり、特にRPGなんかは中盤以降から「世界を救う」ためになんやかんやと頑張るストーリーが主である。だが大抵のストーリーはあまりにも非現実的で、どう世界が滅ぶのかがイマイチよくわからなかったり、とんでもなく強いラスボスの世界破滅計画を阻止するものだったりする。

だからプレイしている最中に、あれ…?どうして主人公たちは世界を救おうと頑張ってるんだっけ?何で世界が滅んじゃうんだっけ?と自問自答することがよくあったりする。笑

 

だがこのゲームはそこが違う。

世界を滅ぼす存在は「雪」なのだ。雪が止め処なく降り続き、どこまでも静かに、どこまでも美しく、世界は終わりを迎える。

 未だかつてこんなにも美しい世界の終わり方があっただろうか。「世界が滅ぶ」=憎悪に包まれた悪しきイメージしか抱くことができなかったので、この終わり方を目にした時は驚嘆した。だからか、不思議と世界を救おうという気持ちよりも、雪に覆われ静まりかえった世界をみてみたいという気持ちが働いてしまうのである。これは主人公が世界を滅ぼす存在である「玄冬」だから、という理由も少しはあるのかもしれないが、少なくとも私はこんな美しく儚い終わり方をする世界に惚れてしまった。

 

また、このゲームは一般的なノベルゲームと大きく異なり、はじめのプロローグを除いて全てのシナリオが登場人物の台詞で構成されている。私は同じように台詞による構成が大多数を占めるケータイ小説なるものが非常に苦手なのだが、そこはゲームと小説の違いなのか、何の違和感もなくすんなりとゲームの世界に入り込んでいけたのだ。むしろ登場人物の台詞ではない「解説」があったら、このゲームのバランスは崩れていたのではないかとすら思える。解説はその状況をわかりやすく説明し、キャラクターの心理描写なども手がける。が、時としてプレイヤーを第三者の目線で留めてしまうことがあるのだ。そうなると、プレイヤーは物語を箱の外から眺める形になってしまう。登場人物の少ないこのゲームで第三者視点になってしまうと、ただの「物語」で完結してしまうような気がする。

 

ストーリーのボリュームだが、これもかなりちょうどいいと個人的に思っている。一日中ずっとプレイしていれば、それだけでフルコンプできてしまうくらいの量で一般的なゲームと比べるとかなり短いお話なのだが、小さな箱庭世界の物語がうまくコンパクトにまとめられており、非常に完成度が高い。言い方を変えれば、ムダがないのだ。

登場人物が少ないこともあって、無駄なキャラクターが存在しない。故にストーリーにも無駄がない。主人公の「玄冬」が記憶を失っているところから物語はスタートするので、玄冬=何も知らないプレイヤーという図式が成り立っている。なので玄冬に感情移入しながら、すっと自然に物語に入り込んでいけるのだ。ゲームには必ず進行役というポジションが存在するものだが、今作でその役割を担っているのが「黒鷹」である。彼は玄冬の育ての親なので物語が進むにつれて、記憶を失くした玄冬にこの世界のシステムのこと、「玄冬」という存在のこと、そしてこれからのことを優しく丁寧に教え、物語を「進行」させていく。正直なところ、私はこのゲームにおいて「黒鷹」の存在がかなり大きく影響していると思っている。進行役はゲームの軸、そして世界観に大きく関わりを持ち、それと同時にそのゲームの本質を反映させたキャラクターだ。よって、進行役のキャラクターがぶれてしまっていると、それこそゲーム全体がぶれることになる。その点、黒鷹は実に進行役として、キャラクターとして、素晴らしい存在だった。穏やかで、誰よりも大人で、感情の起伏が激しくない。常に玄冬の味方だが、彼(=プレイヤー)の選択を見守り諭しながらも、許容してくれる。そんな良き理解者であるために、プレイヤーは常にどこか安心感を抱きながら物語を進められるような気がする。

 

ゲームは登場人物やシナリオとプレイヤーの意思や感情のリンクがないと決して成功はしない。シナリオははじめから用意されているが、プレイヤーは自由に選択はできないからだ。言わば、この後はこう物語が進行しますよと従わさせられている。だが無理やり話の流れにのせられているのと、その流れに自然とのせられるのは全く違う。このゲームはプレイヤーを自然に流れにのせる力が秀逸なのだ。

物語が複雑化すればするほど、プレイヤーとシナリオ間の意思の乖離は顕著にみられる。パルスのファルシのルシがパージでコクーンなどがいい例だろう。実際私はFF13をプレイしたが、世界観と独自用語が複雑すぎて全くストーリーについていけず途中で放棄してしまった笑。(ちなみに花帰葬の独自用語は玄冬と救世主くらいなものである。しかも一つは人の名前でもう一つは私たちが既に知っている名詞なので非常にわかりやすい。)

壮大な世界のゲームをつくろうとすればするほど、プレイヤーをその世界に引き込んでいくのがかなり困難になるのは当然のことだが、技術の進歩に伴いその手のゲームが増えてしまっているのが現状だ。そんな時このゲームをプレイすると、シナリオのあまりのシンプルさに驚いてしまう。しかし、そこに驚きはあっても、物足りなさは決して感じない。何事も、シンプルな方が伝わりやすいという教訓である。

 

 この作品は同人だからこそ成功したと言うべきか、もし普通に企業が制作していたら余計な肉付けがされていたのかもしれない。今見習うべきは、このシンプルさだと個人的には思う。

…といった戯言をつらつらと書いてきたが、音楽や具体的な感想には触れられなかったのでまた別の機会に書くかも。です。

 

花帰葬、おすすめです。特にVITAを持て余してる人はぜひ。DLだと3500円なので。