Amazonプライム会員は、今すぐ「モーツァルト・イン・ザ・ジャングル」を観ないと損だよ!
前回のウォールフラワーの感想記事に引き続き、最近のアマゾンプライムの良さに魅了され毎週末狂ったように映画を漁っていたのですが、ふと目に入ったのがこのタイトル。
「モーツァルト・イン・ザ・ジャングル」
ジャングルの中のモーツァルト??一体どういうことなの…。
全く相反する世界のものがこうしてタイトルとして並べられていると、言葉として映る目にも、音として響く耳にも、強烈な違和感しかなく、はじめは完全スルーしていたのですが、とあるネットメディアにて「超おもしろいよ!」と書かれていたので観てみることに。
そして今、完全にドハマりしました。
やばいですこれ。中毒でしかないです。
普段あまり海外ドラマは見ないタイプの人間なのですが、海外ドラマにハマりすぎて廃人のようになっている人の気持ちが少しだけわかった気がしました。24がレンタル開始された時とかかなり大変だったような…。
ということで、今作のどういったところが面白いのか、簡単にその魅力を解説していければと思います。
簡単にあらすじ
伝統・格式ともにあるNY交響楽団に新しい指揮者を迎えることになったのですが、この新指揮者がメキシコ人の天才でとんでもなくぶっ飛んでるわけです。やることなすこと自由奔放・奇想天外で周囲の人々はそんな彼に巻き込まれていきます。それでも彼はユーモアにあふれ皆から愛される存在。そんな自由でカリスマ性のあるロドリゴ率いるNY交響楽団に、ふとしたチャンスから所属することになった駆け出しのオーボエ奏者、ヘイリー・ラトリッジ。彼女はロドリゴに巻き込まれながらも音楽家としての夢をかなえるために日々奮闘します。そんな二人と強烈な個性をもった楽団のメンバーが織りなすNYの音楽コメディ。
一話30分でめちゃくちゃテンポが良い
この作品はドラマではあるのですが、Amazonオリジナル作品ということで、一話が30分です。1シーズン10話なので 、単純計算すると30分×10話=300分(5時間)
つまり、1シーズン5時間もかからず観終わっちゃうんですねー。×3シーズンなので、全部で約15時間。一瞬ですよ一瞬。ちなみに私は全話を1週間で見終わりました。
それくらい1話のテンポがすごくよくて、毎回きちんと起承転結が組み込まれ、あっという間に30分が過ぎてしまうんですよね。しかも話の続きがすぐに気になる構成なので、気が付いたらあれよあれよと話数が進んでいる始末。完全に中毒です。
クラシック音楽はお高くとまってるわけじゃない
そろそろストーリーの部分に触れていきたいと思いますが、作品のテーマはやはり音楽、それもクラシック音楽です。これがロックバンドとかならまだしも、やはりクラシックというだけで少し敬遠してしまう方は少なからずいらっしゃるんじゃないかなあと思います。私はぜひそういった方にこそ、回れ右せずにまあ1話だけでも見てくれよと言いたいです。苦手意識がある方も絶対引き込まれること間違いなしだと思います。
では一体なぜなのか。
それは、本作が音楽を中心としたヒューマンドラマであると同時に、めちゃくちゃ笑えるコメディ作品でもあるからです。
クラシック×コメディと言えば、かの有名な「のだめカンタービレ」があり、私もこの作品は大っっ好きなんですけど、まさにあんな感じを想像していただきたいです。
主人公ののだめはもちろんのこと、千秋のことが大好きなオカマの真澄ちゃん、世界的に超有名指揮者のシュトレーゼマン…などなど、あの世界にはこれでもかというくらいの奇人変人があふれています。音楽という芸術性が求められる世界だからこそ、あそこまでぶっとんだ個性豊かなキャラクターたちが、のだめの世界を彩っているのだと思います。
本作もまさにのだめのような漫画に出てきそうなくらい、強烈なキャラクターの人物が勢ぞろい。超絶自由人でマテ茶を愛するメキシコ人指揮者のロドリゴをはじめ、誰とでもすぐ肉体関係をもつ(男女問わず)女性チェリストのシンシア、若手に厳しく嫌味ったらしい姑のようなオーボエ奏者のベティ、楽団の中でドラッグを売りさばく打楽器奏者のディーディーなど、え?これほんとに伝統あるNY交響楽団のメンバーなの?と唖然としてしまうような人物ばかりなのです。
クラシックと聞くと、紳士淑女がたしなむ上流階級の嗜好品で、俗世間とは一切縁のないような世界に住む人々のものだと勝手にイメージしてしまうかもしれませんが、決して内情はそんな高尚なものではありません。他の世界と変わらず、酒もドラッグもセックスも、好き勝手楽しんで乱れまくっているし、楽団員たちは資金調達に苦労するし、それに関係する人間関係は結構ドロドロ。要は、別にクラシックってそんな高尚なものじゃないよって話なんです。
クラシック×ラテン文化・ヒッピー文化
もちろん主題はクラシック音楽なんですが、別に最初から最後までクラシック音楽で通しているわけでもありません。というか、結構な確立で頭のおかしいことを彼らは繰り広げています。
例えば、人の私有地で勝手にオケのリハーサルをしては、ピザを頼んで皆でパーティを始めたり、わけのわからないヒッピー集団と一晩中踊った挙句、そのまま自宅に連れて行って騒音を出し続けていたり、突然姿をくらました元常任指揮者がキューバに行って現地人たちとボンゴを楽しんでいたり…と本当に常軌を逸したことばかりが常に起きているんです。
こういう日常の描き方というのはやはり日本のドラマには決してできないものであり、洋ドラだからこその描写なのだと思います。高い芸術性を持つ人が後先のことや常識といったことを全く考えずに思いつきで行動し、目に見えない感覚的なものをつかもうとするという行動は結構あると思うんですけど、そのアクション方法がやっぱりアメリカならではだなあというものばかりでした。日本ではあんな簡単にラテンやヒッピー文化に触れることが出来ないですからね。
そして改めて、欧米人てヨガとかそういうスピリチュアルなことが本当に大好きだよなーというのを改めて感じました。こういった体験を通して、自らの内に秘めた潜在的なパワーを引き出したり、高い精神世界みたいなものを求めたり、何かと外的なものから新たな世界をみつけるといった行動が多いような気がします。それらと今回のテーマであるクラシック音楽が見事にマッチしているのもあり、洋ドラにしか出せない魅力があったんじゃないかなあと思いました。
なんというか、ジャンルにとらわれず音楽が好きな人は観た方が良いと思います。
絶対に何かしら得るものはあると思うので。
↓気になった人はまずはダイジェスト版を
モーツァルト・イン・ザ・ジャングル シーズン1 ダイジェスト版
シーズン2で話が少し迷子なったり、アナ・マリアがでてくると一気にファンタジーになってしまったり、決して手放しで全てを絶賛できるわけではないですが(当然と言えば当然)それを差し引いてもめっちゃくちゃ面白いです。
この作品を観るためだけに年会費3980円払っても全く損じゃないレベルだと思いました。
週末は「モーツァルト・イン・ザ・ジャングル」を観ようぜ!
↓30日間は無料で体験できるので、その30日の間に一気観するのもあり
何気にゴールデングローブ賞もとってるんですよね。
そりゃ面白いわけだわ。
それではまた!