屋根裏のゴミ

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ペルソナ5ザ・ロイヤル(P5R)感想と考察【ネタバレ有】

ペルソナ5ザ・ロイヤル

P5Rクリアしました~~~~~~~~。

ステータスとしては、P5無印はもちろんクリア済みです。

当然のことながらネタバレ全開で感想を書いていきますので、未クリアの方はブラウザバックでお願いします…!

自分でも引くほど長文ですが…それでもよろしい方はレッツスタート!!

 

 

ちなみに、無印をクリアした時の感想はこちら

linkle24.hatenablog.com

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 三学期について

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どうも、2/2のあの展開が訪れるまで、明智が丸喜につくられた存在だってことに全く気がつけなかったアホです……。
ジョーカーだって丸喜の現実を見させられている対象者であることを主人公補正ですっかり忘れていたし、なにより三学期コープ進行度によって、シナリオはどうあれ明智生存ルートにいけると勝手に思い込んでしまったわけですね………(各所PVでロキで一緒に戦ってたし…)つまりプレイヤーである私自身も明智が生きていて欲しいと願ったゆえの虚構の現実を見させられていたのかなと。ここは完全に主人公と全く同じ感情だったしそれを読まれていた……。

だって寝る前に明智を気にかけるジョーカーのシーンがあったり、結局「反応がない」だけで死んだのかはっきりしてない部分がRでははっきりさせられるのかなと思っていたわけですよ。深層があきらかになるとはここのことかと。…という複雑に仕組まれたミスリード(なのか?笑)によって見事引っかかりました。天晴れ。

 

なので2/2に真実を打ち明けられた時はまじでびっっっっくりした。リアルに変な声でた。ていうかジョーカーそんなに明智好きだったの!?!??てなったよね笑
でもそんな真相発表もさておき、明智ははじめから気付いていて、それでいてこの歪められた現実を終わらせるためにジョーカーと一緒に戦っているっていうのがもうね……明智のキャラ造形をこれでもかと強化してくれていてグッときましたよ……。

そりゃ個人的には明智に生きていてほしいですよ。短い期間だったけど2人で、そしてみんなで一緒に戦えて幸せでしたよ。それでも、明智は一度現実で自分の戦いを終え、最後の望みをジョーカーに託してシャッター断絶したわけだから、その願いを無視して丸喜の現実を受け入れたらそりゃ怒るわけですよ。いやーーーーー2/2の展開まじでよかったな……。

 

正直オクムラパレスまでの怪盗団の活動って、仲間になるメンバーの状況を救うというのもあるけど、基本「世直し」というスタンスで改心を行ってきていたし、その奥底にはやっぱり大衆の声を意識しているところがありましたよね、特に竜司。高校生だから…と思いつつも、どーーーーしても感情移入できないところがあってもやもやしてたんです。でも三学期のストーリーはそのもやもやを見事に払拭してくれました。三学期の改心は、もう大衆の声や世直し、誰かのためとか関係なく、単純に「自分たちの正義を貫く」ため、というのが最高でした。二学期まででやってきたことを三学期にまるっと丸喜になかったことにされて、そこで改めて自分達がいかに痛い思いをしながらも厳しい現実を乗り越え強くなったかを思い返せるわけですよ。これまでの経験を通して今の自分があるから、今までやってきたことを肯定するためにも、怪盗団最後の仕事として「正義を貫く」選択をするわけです。世間はまやかしの現実に飲み込まれているけれど、本当の現実が見えている怪盗団メンバーで、誰の頼みでもなく"自分たちの意思"として、丸喜と戦うことを選択する。そういう彼らの姿が見れて満足でした。無印だとやはり大衆の元気玉ヤルダバオトを倒すというのが物語の帰結としてどうしてもテーマそぐわずぐぬぬとなっていたので、そこの不満点は見事に三学期で解消してくれて満足でした。私の魂は救われた…。

 

ついでに言うと丸喜を倒して元の現実に戻ったあとも、めでたしめでたしじゃなくて、ジョーカーは元通りムショいきなのが世知辛くていいなあと。現実はそう甘くねえぞっていうメッセージもきちんと含まれているのがいい意味で"現実的"だと思います。こういう要素がないとご都合主義感で感情移入しきれなくなっちゃうしね。ただジョーカーだけほんとに不遇すぎるでしょとは思うけども…。

 

今回のコープも、今までのコミュもそうだけど、いつも主人公がその人に寄り添って背中押しをしてあげることによって、皆それぞれが抱えている悩みを自分の力で乗り越えていくっていうストーリーがめちゃくちゃすきなんですよね。もちろん、人によっては障害となる人の改心をしてはいたけれども、それでも丸喜がやった痛みごと取り除くのとは全く違う話で、きちんとみんな乗り越えていくわけですよ。だから最後にはみんな「あなたがいたから乗り越えられた」とか"一緒にいてくれた"ことへの感謝なんですよねー。直接的に障害を取り除いたことに対してのお礼じゃないのがポイントなんだとおもいます。
この積み重ねがあるからこそ、痛みを乗り越える力をその機会ごとすべて奪われる恐ろしさをプレイヤーがいちばん感じているので、三学期でその恐ろしさをドーーーーンとぶつけてこられたのはさすがアトラスです。このストーリー構成は素晴らしいの一言!


ただ初詣のイベントはP4やってた人ならあのPVをみた瞬間に、おーーー!!みんなとわいわいできるイベント追加きたーー!!!!ってなったと思うんですけど、そんなシーンがまさかのまさかなのには笑いました。徹底的に地獄に落としてくるよなあアトラス。お正月すらまともに祝わせてもらえないのP5スタイルを一貫してていいとおもいました(地獄)

 

三学期BADEND(丸喜の現実END)

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最&高!!!!!!!!!
ここまで70時間以上ものくそ長い時間をプレイさせておいて、その努力すべて「無かったこと」にされるエンディングはありますか!!!?!?この無慈悲さ、さすがアトラス。
こういう誰も救われない残酷さ、気持ち悪さみたいな描き方が大好物なので個人的には性癖にズバズバ刺さるシナリオで最高でしたよ。
スタッフロールの背景絵、マジで辛かった…みんな笑顔でいるのが余計に辛かった……死人が生き返り、各々が望む有り得るはずのない虚構の現実の中で笑って楽しそうにしている姿を、70時間以上必死にプレイした後に見させられるこの拷問、エグいです。エグさ500
最後卒業式のシーンで、はじめ明智がみんなの写真を撮ろうとするんだけど、そこを丸喜が明智も入れた全員を構図に入れてシャッターを押すというのがね、もう完全にひとつの箱庭の神というか管理者になっていることを示唆していてゾクゾクしました。逆に言うとあの構図からはもう逃げられない、スマホで切り取った異世界に閉じ込めるということを表しているようであの演出考えた人は天才。そのあと若干画面が歪んでジョーカーだけが一瞬違和感をおぼえるのもね…あーーーーきもちわるい!(最高の褒め言葉)
GOODENDが皆それぞれ進むべき道を決めて別々の進路へいくのを「己の正義を貫く」今作のテーマのENDとしてもってきているわけで、このBADENDはちょうど対になってるわけですね。BADだとジョーカーも帰らないしみんな一緒に楽しく過ごしている現実…それを「みんなの幸せ」として丸喜に定義されてしまった、と。
こういう直接的ではなく、間接的に望まざる世界に閉じ込めるというENDを一つ用意してくれたのは、ロイヤルでの本当に大きな見どころ、というかメインディッシュだったと思います。いやほんと最高だった。

 

三学期期限切れEND


みなさん感想で三学期の期限切れがやばいとつぶやいていらしたのでわざわざやりましたよ…。セーブデータちょうどいいのがなくて、1月半ばからひたすら毎日明智とジャズバーに通う毎日でした。そしたらセリフバリエが7種類くらいあってわらった。そんなに用意してくれてるのね…感動。
あとパレス攻略期限間近に明智が「このウスノロが…」って罵ってくれるのはここまでプレイを頑張ったご褒美ですか?ありがとうございます。
毎日昼はすぐ家に帰って、夜はジャズバーにいく生活に対して毎回怒ってくれるモルガナにはひたすら申し訳ない気持ちでした…。期限の前々日にはセリフがわざわざ変わってるのも感動した。ルート確保→予告状に2日必要だから、1日前になった時点でゲームオーバーなわけで、その状況に対してモルガナが「あんなに言ったのに……」ともう手遅れなことを悲しげに伝えてくれるところが心苦しかったです。。すまぬ。

 

それにしてもまさかジョーカーが眠り姫になっちゃうとは…………こればっかりは予想のはるか斜め上をいってました。受け入れもせず、戦いもせず…だとなぜこの現実になるのだ!?!?一応丸喜は主人公の幸福を願っていたはずなのだけど……なぜ…………。しっくりはきてないけど、演出的に嫌いじゃないし、ジョーカーの部屋をアップでみせるここしかないカメラワークでゾクゾクしたのでまあこれはこれでよかったです。あの蜘蛛の巣張ってる感じね…やばいよね……一体どれだけの時間が経ったんだろう。。

 

GOOD ENDのラストシーン

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最後に明智ぽい人が映ることで色々と考察がもめているみたいですが、個人的には単純にメガネやガラスを通して過去の怪盗団の姿、もしくは曲解によって歪められていた現実がフラッシュバックしたけど、メガネを外して窓を閉めることによって、もう自身のペルソナ能力や怪盗団とは決別したから仮面はいらないし、曇りなき眼で現実をみてあるいてこーぜってメッセージだったのではと解釈しております。
顔を覆うもの≒仮面≒ペルソナを連想させている描写がP4からもちらちらあったので、そういう解釈が自然かなと思うし、能力と決別した物語の終わりにふさわしい締め方なのかなあと思いました。なので個人的には特にもやもやはしてないかなー。

 

明智吾郎というキャラクター

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明智の手動コープほんとに無印からやって!!!!!!!!!(悲痛な叫び)

無印の時のあの掘り下げの少なさはあまりにも不遇というか説明不足すぎましたよ…。メディアとしてはよく出てるけど、怪盗団との接触明智本人がどんな人物かという描写が少なさすぎて、物語の核を担う人物なのに深く考察できなかったという深い悲しみがありました。それを手動コープにして掘り下げることによって、明智がいかに主人公と似たもの同士で、それでも互いの選択と状況によって相対するライバルとなったのかという、明智の選択と正義について丁寧な描写があり、しっくりきました。

 


シドウパレス戦闘前の「なんで、あと数年はやく出会わなかったんだろうね…」のセリフがもう…悲痛すぎて泣いた…。心底嫌いなジョーカーもコープを進める事に仲良くなっていって、こいつには絶対に負けたくないという気持ちがある反面、心の奥底に似たものを感じて親しみを覚えていたんですよ。でもあと数年~ていう台詞は、本当に良き仲間になっていたかもしれないけど、それでも、たらればに縋ることは決してせず、自分のやってきたこと、信念と正義を貫くために戦うことを迷わない。自ら敗北を認め幕を引くというこの潔さ。ほんっっっっっとに強い人物だと思います。怪盗団に一緒にいこうと言われた時も、手を取らないでくれて本っっっっっっ当によかった。(正直この展開を危惧していたので)ここでもし手を取っていたら明智のこれまでの人生と信念と正義をすべて曲げることになってしまうわけで…それはつまり丸喜がやったことと大差ないわけで……そんな展開が待っていたら間違いなくディスクをたたき割っていたと思います。うん、アトラスを信じてよかった。明智に関しては500点満点でした。

 

ロキ智さん

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この人快楽殺人者すぎない????????笑
いやおまえめっちゃ楽しんでるやん!?!???てなるくらい戦闘中の声が愉快すぎて笑いました。の割に白明智の声も汎用で一部残っちゃってるから、探偵王子スマイルで「宝箱あるね」とか言われるとドキっとする。おまえ誰だ!!?

あと戦闘中あんなにテンション爆上げマンなのに仲間や丸喜と喋る時はめっちゃ冷静なのも面白すぎ。テンションの差が激しすぎてメンタルもたないよ…。
ジョーカーがピンチの時の「倒れたら殺すぞ」も理不尽すぎて笑うんだけど、ロキのスキルに精神耐性があるにもかかわらず一番状態異常にかかってておまえ…ってなりました。トチ狂ってるロキ智が恐怖とかかかってると面白いからヤメテ笑。
ショータイムも含めてロキ智の言動行動がやかまし愉快で楽しかったです。ずっとパーティにいれてた。
3人でマルキパレスに行った時もしれっとロキ智になってるの面白いし、それに対して主人公の反応「そっちできたか」も仲良しだし、気を遣うかすみちゃんもかわいいし、つっこみどころ満載すぎでした。

 

 

かすみちゃん

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初めのペルソナ覚醒時の違和感が払拭されてよかったー 大衆の手のひら返しに共感させるためだけのキャラかと心配したけど全くそんなことなくてよかったーーー。かすみちゃんコープの前半は正直全然面白くないし(ひどい)ペルソナ覚醒のイベントも弱すぎてアレだしえっこの新キャラ大丈夫????ってなったけど、ちゃんと三学期に説明がつくというか、三学期の話をもってくるための伏線だったというのがよかったです。色々コープの内容とかを思い返してみると、たしかにちぐはぐ感が随所にあったり(料理のこととか)、あとコーチに自分と向き合えと言われてるのもなるほどそういうことか…となったり。

 

あとから考えると、確かに誰一人としてかすみって言ってないんですよね。モルガナでさえ。それでも「かすみ」というイメージが強く根付くのって単純に芳澤っていう普通の苗字に、ひらがなで目を引く「かすみ」って名前にしてミスリードするためだったりしたら上手いなあ。スマホの調子がわるいのは単純に「かすみ」に関わることが都合よく消えるようになっていたから?なのかしら…それにしてはスマホ調子わるいアピール多すぎてちょっともういいよってなったけど。真相は謎。

 

あとはかすみのペルソナがサンドリヨン=シンデレラっていうのも素敵な設定ですよねー。公式見返してたらサンドリヨンの胸に時計が刻まれているのは何を意味しているのか…?ていう記述があって、そういうことかーーーーーって膝から崩れ落ちました。幸せな魔法は時がきたら消えてしまうってことなんですね…かすみの真実がわかるムービーを思い返すと、かすみを包んでいた魔法が消えていくようにみえてスタオベでした拍手。その先の、努力したら報われるというシンデレラストーリーの本質まできちんと描いてくれているのもポイント高いですよね。5のペルソナの中でもかなり好きなモチーフと比喩表現でした。一番はロキだけどね!!!!!!あのふてぶてしさ最高。

 

音楽


今回個人的にツボだったのはGentle Madmanでした。ピアノが主旋律であの流れるようなメロディがとても綺麗なんだけどどこか悲しく切ない気持ちになるのがよかった。丸喜の内面を上手く表している素敵な曲でした。
あとはRivers in dessertがやっぱかっこいいなー。特にサンドリヨン戦でジョーカーと明智がピンチの時に竜司が2人を守るシーンで流れた時、かっこよすぎて変な声でた。竜司をかっこいいとおもったのはじめて(失礼)

 

デジャブ発言について

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さて、ここまで評価ポイントばかり書いてきましたが、ここはロイヤルでも不満だった点です。無印の時から解消されない最大のもやもやポイント、それは仲間たちの”デジャブ発言”です。「深層が明らかに」と広告されていたので、個人的にはてっきりこのあたりの謎が解明されるのかなと期待していたので、デジャブ発言への言及が何もなかったのは期待していただけに非常に残念でした…発言やアイテムからループ説が濃厚だったのですが、ここまでなにも触れられないとは……。しかしアトラスが意味もなくこういうセリフをぶっ込んでくるとはとても思えないので何かしらの意図を感じるし、、、どうなの!!
無印ENDの竜司の「まだ誰かの夢の中にいるみたい」発言はなくなってましたが、随所にでてくるなつかしいとか前から知ってるみたいなどの発言は特になにも変わってなかったし、こればっかりは本当にわからないです。気になって夜も眠れない(うそ)からアトラス説明してーーーーー。

 

 

総評


まとめると、無印の時にもやもやしていた点(主にシドウパレス以降の物語の失速感と元気玉が見事に払拭され、3学期でとてもいいシナリオをぶちこんでくれたので大満足でした。(デジャブは回収されてないけど)
ただ、ほんとにこれはじめから無印でやってくれ…と言いたいくらい無印のシナリオはやっぱり不完全だったと思うし、P3、P4と比べると個人的な評価が低かったんですよね。色々大人の事情やらがあるのはわかるのですが、完全版商法はファンへの裏切りになると思っているので正直やめていただきたい…。P3P4くらい無印でシナリオが完成されてて、その上でのリマスターならいいんですけどね。正直そのあたりはちょっとがっかりでした。あとかすみの誇大広告も。

が、時間をおいてこれだけのシナリオを完成させてくれていたので、そこへの信頼度は変わらないです。アトラスは出来る子なんだからお願いだからこれ以上裏切らないでくれ…頼んだ…。

 

なにはともあれ、はじめてペルソナをプレイする人にも、無印でもやっとした人にも諸手を挙げておすすめできる作品でした。

ありがとう、大満足でした!!!

 

 

ちなみに無印の不満点をつらつらと書き連ねてP4と比較した記事はこちら。

 

linkle24.hatenablog.com

 

 

 

 

ではまた!